愛を教えてくれた君へ(2017)

Qaijffのメジャーデビュー曲。フジテレビ“ノイタミナ”TVアニメ「いぬやしき」のEDテーマ。

結成9年。
振り返るにはまだ早いけれど
Qaijffは「忘れること」「記憶」など、“過去と現在の関係性”について多く歌ってきたバンドだと思う。

その関係性には、途切れていようが繋がっていようが、なんにせよ悲しみや寂しさ、虚しさが付き纏う。

いっそのこと「出逢わなければ良かった」と思ってみても、それもなんだか居心地が悪い。悲劇のヒロインぶってる感じがしてどこか嘘くさい、ダサい。

気分によって“それ”が背後で輝き勇気付けられることもあるし、気分によって“それ”に追いかけ回され、どうしようもなく疲れたりもする。

要するに
この関係性、そこに在る感情に、はっきりとした白黒がつけられないままなのだ、残念ながら。

そんな不確かさ、曖昧さ。
大切な人と出逢うこと、過ごすことの喜びと無条件でセット売りされる「悲しさ」。
ここに対し、変に綺麗事にせず、変に悲劇にせず、ありのままの事実として書いた歌がこの「愛を教えてくれた君へ」だ。

だからこそ
1サビ「今の日々を愛さないで」
3サビ「今の日々を愛していて」

字面的なこの矛盾も
この関係性に対しては、紛れもない真実なのだ。

矛盾≠真実とは限らないから。

リリース前
一部スタッフから“分かりにくい”など、この部分に意見が上がったが、最終的に“字面の整合性”ではなく、“感情の整合性”をちゃんと僕らは選択できた。

人は誰もが相反する感情を持っている。
でも、色々なことに白黒ハッキリつけたほうが圧倒的に楽だし、生きやすいんだ。だから「これだ!」「これが正解だ!」と強引に決めつけながら僕らは生きている、僕もそうだ、弱いから。

ただ
大切な人、そしてその関係性については、ありのままの姿形で捉えていたい。
ピュアなままでいたい。
そこに矛盾があって、伴うモヤモヤがあっても、バタバタしながら、悪戦苦闘しながら、それでも手を離すことだけはせず、抱き抱え、歳を重ねていきたいんだよな。

いつの日か、決めつけるんじゃなく、自分の目で、感情で向き合って、納得出来る答えを出したい、出せたらいいな、出せるだろうか。


そんな歌があっても、いいんじゃないかな。

◆歌詞
https://sp.uta-net.com/song/240356/

◆FULL
https://music.apple.com/jp/album/%E6%84%9B%E3%82%92%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%90%9B%E3%81%B8/1538151459?i=1538151467

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