見出し画像

もしも地球のすぐそばで超新星が起きたら【近地球超新星】

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。


今回は「もし地球のすぐ近くで超新星が起きたら」というテーマで動画をお送りしていきます。


地球から大体1000光年以内と、地球に何らかの影響を与えるほどに近い距離で起きる超新星のことは、特に「近地球超新星」と呼ばれることがあります。

スクリーンショット 2020-12-11 122522

このような近地球超新星が起きたらどうなるのかを今回は掘り下げていきたいと思います!

超新星爆発の種類

画像2

超新星爆発は、大質量の恒星が一生を終える際に起こる非常にエネルギーの高い爆発現象のことです。

新しく星が誕生したと思わせるほど明るく輝くことから超新星と呼ばれますが、実際は星の最期と深く関連がある現象です。

超新星爆発にはIa型とII型という大きく分けて2種類のものがあり、それらは発生メカニズムも性質も大きく異なります。

まずII型超新星は、太陽の8倍以上重い大質量の恒星が一生を終える際に起こす大爆発です。

一般的に超新星というと、こちらのII型のイメージが大きいと思います。

画像3

Credit:ESO/M. Kornmesser

そしてIa型超新星は、白色矮星という太陽の8倍未満の質量を持った恒星が一生を終えた後に進化する高密度の星の死骸のような天体と、通常の恒星との連星系で起こる大爆発現象です。

白色矮星には太陽の1.4倍質量という質量の限界が存在し、連星を成す恒星からガスが流れ込んで白色矮星の質量が限界を超えるとIa型超新星という特大の大爆発を起こします。

どちらのタイプの超新星も非常にエネルギーが高く、ガンマ線バーストという現象と共にこの宇宙で最も高エネルギーな現象の一つとして知られています。

超新星爆発はたった100日程度の短い期間で、太陽が120億年の一生をかけて放つ総エネルギーを遥かに上回るほどのエネルギーを放つとも言われています!

本当に破壊的なエネルギーを持つ現象ですね。


宇宙ヤバイchの姉妹チャンネルである科学ヤバイchでは、本日「この世のエネルギー比較」をテーマとした動画を投稿しているので、ぜひそちらの動画も併せてご覧ください!

過去の地球への影響

それでは超新星が起こると、地球にはどういった影響があるのでしょうか?

画像4

まずは過去の事例を振り返って見たいと思います。

地球から1000光年以内で起きた近地球超新星は、過去1100万年の間で実に20回も起きていたそうです。

そしてそれらの爆発1回あたり、地球の平均温度の3-4℃分の温暖化と関連があったと推定されています!

地球上の生命を即死させるほどのものではないにしても、温暖化のインパクトとしては途方もないものがあります。

恐るべき超新星のエネルギーですね…!

さらに今から3億6000万年ほど前に起きた大量絶滅は、地球から65光年という非常に近い距離で起きた超新星が原因であると考えられています!

これだけ至近距離でも地球上の生命を即座に焼き尽くすというものではなく、数十万年スパンという長い時間をかけて地球のオゾン層を破壊し、じわじわと生命を絶滅に追いやるものだったそうです。

逆にそっちの方が恐ろしいですね…

近地球超新星の候補天体

では現在の地球の近くにはどういった超新星の候補天体が存在していて、どのような影響が想定されるのでしょうか?

まずII型超新星を起こしそうな、太陽より8倍以上質量が大きい恒星は、地球から250光年程離れたおとめ座のスピカ、550光年程離れたさそり座のアンタレスやオリオン座のベテルギウス、そして860光年離れたオリオン座リゲルなどです。

スクリーンショット 2020-12-11 123303

これらは宇宙のスケールでは非常に近く、地球でも肉眼でその爆発を明確に見れるほどですが、超新星爆発自体が原因で地球に直接の影響が出てくることは考えにくそうです。

画像6

Credit:NASA

ですが特に大質量の恒星が超新星爆発を起こした際は、それと同時にガンマ線バーストという現象も起き、それが地球に飛来した場合は大量絶滅を起こすのに十分すぎるエネルギーとなると考えられています。

とはいえ先ほど紹介したII型超新星候補の恒星の中にはガンマ線バーストを放つほど大質量の恒星は存在しないと考えられているため、どちらにせよ大きな危険はないと考えて良さそうです!

スクリーンショット 2020-12-11 123508

そしてIa型超新星の候補としては、地球から150光年ほど離れた所にある、ペガスス座IK星という通常の恒星と白色矮星の連星系が挙げられます。

先述のどの恒星よりも近い距離にありますね。

IK星の白色矮星の質量は現在太陽の1.15倍と、白色矮星にしてはかなり大きく、更に連星の公転周期も21.7日とかなり近い距離を公転しあっているために、宇宙規模ではそう遠くない未来に爆発が起こるかもしれません。

ペガスス座IK星は非常に面白い天体なので、今度別の機会にこちらの天体についてさらに掘り下げた動画も投稿したいと思ってます。

まとめると現状地球の近くで危険となりそうな超新星の候補はないと考えて良さそうです!

もしも太陽が超新星をおこしたら

我らが主の太陽は質量が足りず、最終的には白色矮星に進化すると考えられています。

その過程で超新星爆発は起こり得ません

ただ万一現在の地球と太陽の距離で超新星が起こるとどうなるのでしょうか?

こちらのUniverse Sandbox 2を使ってシミュレートしてみたいと思います!

ただ、こちらのシミュレーションは必ずしも正確とは限らないので、あくまでこれだけヤバイことが起こるんだというイメージだけ持ってもらえると嬉しいです。

予めご了承ください!

では太陽を平均的な超新星が放つとされる10^44Jというエネルギーで爆発させてみたいと思います!

スクリーンショット 2020-12-11 124010

スクリーンショット 2020-12-11 124034

スクリーンショット 2020-12-11 124108


繰り返しになりますが、科学ヤバイchのエネルギー比較の動画もぜひ併せてご覧ください!

超新星爆発がどれほどヤバイ現象なのか、改めて実感できると思います。


ここから先は

0字
宇宙の面白い話、ヤバイ話をほぼ毎日更新していきます。元は動画コンテンツなので、マガジン内でも画像やgifを用いてわかりやすく解説していきます。マガジンでは動画以上に手軽に情報を得られる上、ハッシュタグや検索を用いて過去の記事の情報を簡単に遡ることもできます。

登録者数10万人越えのYouTubeチャンネル「宇宙ヤバイch」のコンテンツを文章でほぼ毎日更新します。過去1か月分の記事は無料公開してい…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?