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プロキシマケンタウリ系には○○があると新たに判明…

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。


今回は「プロキシマケンタウリ系の最新悲報」というテーマで動画をお送りしていきます。


プロキシマケンタウリ系

地球からケンタウルス座の方向に約4.3光年離れた所には、太陽系から最も近い恒星系であるケンタウルス座α星があります。

ケンタウルス座α星は3つの恒星から成る3連星系です。

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そしてそれら3つの恒星の中で特に太陽系に近い位置にあるのが、プロキシマケンタウリという恒星です。

質量が太陽の8分の1程度しかない非常に軽く省エネな恒星で、最も近いにも拘らず地球から肉眼では全く見れないほど暗いです。

そんな正真正銘太陽系から最も近い恒星系であるプロキシマケンタウリ系には、プロキシマbという惑星と、プロキシマc(こちらは候補)という2つの惑星が発見されています。

特にプロキシマbの方は質量など物理的性質が地球と似ていて、かつプロキシマ系の中のハビタブルゾーンに位置しているため、液体の水やさらには生命も存在しているのではないかと期待されています。

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そういった意味でプロキシマbは最も近い生命が存在しそうな惑星として、非常に注目度が高い惑星です!

プロキシマ系の過酷な環境

これだけ聞くとプロキシマbは素晴らしい惑星ですが、実はプロキシマケンタウリ系自体の性質により、生命がいるかどうかはかなり疑問視されていたりします。

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プロキシマ・ケンタウリは太陽の12%程度の質量しか持っておらず、恒星の中で最も省エネな分類の「赤色矮星」に分類されるため、太陽と比べて放出するエネルギーが非常に弱いという特徴があります。

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そのため同じハビタブルゾーン内にあるといっても、プロキシマbの主星からの距離は地球と太陽の距離のわずか20分の1しか離れていません!

そして主星のプロキシマケンタウリは、普段は省エネであるものの、時折太陽程度の恒星が放つフレア以上に強いフレアを放つこともある、「閃光星」に分類される恒星であると考えられています。

フレアが起こると強力で有害な電磁波が周囲に放たれ、しかもプロキシマ系にある惑星は主星から超至近距離で強力なフレアを食らうことになるので、このことが地球のような生命が存在しにくくさせているかもしれません。

新たに判明した懸念とは…

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Credit: NASA GSFC/CIL/Bailee DesRocher

そしてオーストラリアにあるシドニー大学の研究チームは今月9日、プロキシマ系の惑星にはこれまで考えられてきたフレアのみならず、それに伴い「コロナ質量放出(CME)」まで起きている可能性が高いことが判明したと発表してます。

CMEとは、恒星でフレアが起きた際などに恒星から高温のプラズマの大質量の塊が一気に放出される現象です。

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NASA/Goddard Space Flight CenterScientific Visualization Studio

フレアもCMEも恒星の磁場の活動が原因だと考えられていますが、フレアは電磁波、CMEはプラズマのガスとして宇宙空間に放たれ、周囲にある惑星などに大きな影響をもたらします。

太陽の場合、実に10億トンものプラズマが最大3000㎞/sという速度で放出されるのだとか…

地球に与える影響も太陽フレアの電磁波による影響より大きいとされています。

これまではプロキシマケンタウリのような閃光星では恒星フレアが起きている証拠は数多く発見されていますが、CMEが起きている証拠は乏しく、太陽とは異なりCMEを伴わなっていない可能性も残されていました。

プロキシマケンタウリでフレアに伴うCMEが起きているかを調べるため、シドニー大学の研究チームはCMEに伴って起こる電波の放出現象に着目しました。

太陽の場合、CMEが起こると電波バーストも伴って起こることが知られているそうです!

研究チームはプロキシマケンタウリで起こっている電波バーストを観測するために、オーストラリア国立大学が所有するサイディング・スプリング天文台の望遠鏡とASKAPという2つの望遠鏡での同時観測が行われました。

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Credit:Mark Myers/OzGrav

その結果、プロキシマケンタウリで起こったフレアに伴って、太陽で起こる電波バーストに非常に性質が近い電波バーストが同時に起きていることが確実に捉えられたそうです!

CMEを直接観測したわけではないですが、太陽でいえばCMEに伴って起こる電波バーストをプロキシマケンタウリでも観測に成功したという事で、かなり高い確率でプロキシマでもCMEが起こっていそうであると判明しました。

そしてこの発見は、プロキシマ系に生命が存在する可能性をさらに下げることになりそうです。

太陽はプロキシマケンタウリなどの赤色矮星と比べて非常に高温なので、その周囲にあるハビタブルゾーン内に位置する惑星である地球も太陽からかなり遠くにあるため、CMEの威力もかなり軽減されることになります。

ですがプロキシマケンタウリ系の場合、その周囲にある惑星は超至近距離でフレアより危険なCMEを受けることになり、地球のような磁場があったとしてもその影響を防ぎきることができない可能性もあるそうです!

やはりこの宇宙に最もたくさん存在する恒星である、赤色矮星の周囲に住むのは難しいのでしょうか…

このあたりの研究が今後も続けられて、さらなる詳細が明らかになることに期待していましょう!

情報参照元:https://www.sciencealert.com/the-first-weather-reports-from-proxima-centauri-are-not-promising-for-life
サムネイル画像クレジット:Mark Myers/OzGrav


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