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放浪No.10 長い山道を抜けて

不安とは裏腹にすんなりと山道を抜け、知らない間に県まで跨いでいた。
大きい道路にお店もちらほらと出始めたので、山道モードから街乗りモードへと切り替えて気を引き締める。

大きめのショッピングモールが見えたので、そこで食事と適度な休憩を取る。
イートインスペースで温めたお弁当を食べながら、Googleマップで現在地と目的地までの距離をおおまかに調べる。
これまで40キロほど進んでいたことを確認し、半分ほどの距離を消化できたと安堵した。
残りのルートを確認すると1/3は緩い上り、残りは緩い下りだったので、お弁当を食べ終えた俺は意気揚々とショッピングモールを後にした。

先ほど抜けてきた山道での錯覚が好転?したのか、さほど苦労を感じないペースで緩やかな上りを進んでゆく。
主に幹線道路を進んでいき、家やお店が立ち並ぶ景色が見れて、おまけに山道ではないが、自然豊かな道のりなんかもあって視界に飽きがこない。
走っているうちに緩やかな下り坂に入った俺は…この40キロって余裕じゃね?って思考になり、そのまま国道を突っ走った。
緩やかな下り坂を道なりに進むだけだったので、一気に走ることができた。

今振り返ると、この頃から自分の中での距離という先入観が壊れ始めていた。

交通量が多い中、ある意味でハイな状態で自転車をこぎ進めていくうちに当時の感覚では、あっという間に目的地へ着いてしまっていた。

この状態であれば、まだまだ進める!とハイになった俺は、目的地をさらに10キロ伸ばして爆走する。
途中、少し気分を損ねることがあったので…下り坂を利用してスッキリさせてもらいました。笑

なんだかんだでスムーズにインターネットカフェに着き、荷物をブースに放り込んで買い出しへ。
わりと遅めの入店だったが、幸い近所に24時間のスーパーがあったので、総菜やお弁当、そして缶ビールを買ってブースに戻り一人宴会を始めた。

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