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ヨーダの物語 96

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、フォースとは何かを学んでいく!


 言われてみれば、夢の中で恐怖に襲われ叫んだ瞬間、頬に温かさを感じて目が覚めた。このミルクボールが助けてくれたんだ。 QQ11が朝日を浴びて起動し四足に変形すると、ミルクボールが駆けよって早速朝からじゃれ合いが始まった。
 ヨーダは夢の中で一瞬味わったダークサイドの心の状態を一生忘れてはならないと思った。ダークサイドという招かれざる客はいつでもやってきて、誘いをかけてくるということを肝に銘じた。

 その日は、それまで二つだったトレーニング用の金属の球を、ヨーダ自らが四つにしてほしいとグラドゥに頼んだ。焦りの感情はもはや無いが、今の修行を続けていてはとてもギークの相手にはならないと思った。
 森の中で、ヨーダはいつものように布を頭に巻いて目隠しをし、四つの球に囲まれてライトセーバーを起動した。
 「走ります」
 ヨーダは、ダッといきなり走り出した。自分が止まった状態で四つの球に囲まれての一斉攻撃は完全に不利と判断し、走りながらビームを弾き返すことにした。いつものようにヨーダは撃ちこまれる無数のビームを木々に当たらないように弾き返すよう細心の注意を払った。昨日までとは明らかに違う、ヨーダの堂々とした動きにグラドゥは感心し、ヨーダが森の端までいって戻ってくる頃には四つの球からの攻撃を休止した。
 ヨーダは走って無傷でグラドゥの元に戻ってきた。その後に四つの球が浮いてついてきた。それぞれ大量のビームを発した後の銃口から煙があがっていた。
 「これに関しては合格、と言っていいだろう。昨日より格段に動きが良くなったね。これも夢での友との再会が影響しているかもね・・。
 次はライトセーバーで昨日の続きをやるかい?ただし、今のあんたではこちらの光刃が一本じゃあもの足りないじゃろう。このくらいでいかがかな?」
 グラドゥは自分のライトセーバーを浮かせ、上着のポケットを叩いた。
 「ポケットを叩くとライトセーバーがふたつ♪もひとつ叩くと・・♪」
 グラドゥの上着のポケットから六本ものライトセーバーが出てきて、グラドゥのものと合わせてぜんぶで七本になった。それらが浮いた状態で一気に起動した。
 ヨーダは目を丸くするしかなかった。

 (ヨーダの物語 97につづく)