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ミッション:「秋田美人」を守れ!!

秋田美人」というワード、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。秋田県出身の女性は美女が多いと知られており(佐々木希さんを筆頭に!)、博多美人、京美人と並んで「日本三大美人」の一角として知られています。

しかし今、秋田美人は絶滅の危機にあります。なぜか。秋田県は2045年までに人口が約40%減少し、人口60万人のうち"半分"が65歳以上になると国立社会保障・人口問題研究所により判明したのです。県の半分65歳以上の方々になるとは、、想像し難いですよね(秋田美人がいなくなる、、)。そんな日本の人口構成の最先端を走っている秋田県のリアルを取り上げながら、秋田美人を守るべく施策を考え、日本が直面する地方問題にも触れていきたいと思います。

1,「秋田美人」激減シナリオ

さて、そんな絶滅の危機に瀕する秋田美人のリアルを、過去のデータから見ていきます。ちなみに、ここでの秋田美人の定義とは①秋田県の人口の半分を女性とし、②秋田出身の女性全員を秋田美人として考えます。(日本の女性は美しい、ツバキのCMより)

下記は、①秋田県の各年代の総人口と減少数をまとめたグラフ、②秋田県の各年代の出生数をまとめたグラフになります。なお、①の減少数は、出生数や死亡者数、転入者数、転出者数の増減に起因します。

①秋田県の総人口と人口減少数(人/年)総人口と減少数

②秋田県の出生数(人/年)
出生数

(秋田県企画振興部調査統計課、平成30年11月)

どうでしょう。秋田県の総人口はみるみる減っていく中で、人口減少数は拡大していることがわかります。また、出生数も年々減少していることが分かります。今、地方で起きていることは、少子高齢化だけでなく、そもそもの人口さえもが減少していっているのです。総人口の減り方やばいな、、。

このようにして秋田美人は絶滅の危機に瀕しているのです。やばいよね。

でも、秋田美人の存続がやばいってのは勿論ですが、秋田県自体やばくない?ってことに気付いて頂けましたでしょうか。実は、地方って思った以上にやばいリアルがあるんです。何がどうやばいの?ってお話は次章で見ていきましょう。

2,さびしいなまはげの背中

なまはげ「泣ぐ子はいねがー、怠け者はいねがー」「親の言うこど聞がねガキはいながー、こごの初嫁(初詣)朝起ぎするがー、すねがー、ウォーウォー」

秋田の誇る雪国の民俗行事であるなまはげは、「ウォーウォー」と一勢に奇声を発しながら、土足で家に入ってくるそうです。しかも、出刃包丁持ってます。怖すぎ。(「なまはげ」って検索すると、「なまはげ トラウマ」って候補に出てきます笑)

そんななまはげも近年は寂しそうな姿を見せています。平成30年度の秋田県の出生数5,040人は、昨年5,396人から減少しており、出生率としては全国で最下位を記録しています。(秋田県は平成7年以来、24年間連続最下位)

このように、驚かす子どもが減っていくリアルは、なまはげも美味しくないでしょう。やりがいもなくなりますよね。でも、それだけじゃないんです。実は、なまはげをする若者も減少傾向にあるんです。

人口31,000人の秋田県鹿角市では、市内の病院が分娩を扱うことを止めるため、出産をする女性は隣の市の病院まで行かなければならないそうです。これは、、若いカップルは住むのやめちゃいそう。

さらに、秋田県の1/3の企業は、従業員が70歳を超えても働けるようにしていますが、それゆえにか、秋田市のタクシー会社のあさひ自動車は、148人いるドライバーのうち過半数が65歳以上だそうです(ちょっとタクシー乗るの怖いな笑)。

このような現状により、地方では若者の希少価値は高まっています。しかし、地方で生活するには不便を感じるため、若者は地方から出ていき、都市に出た若者も地方には帰りたがらず、地方の人口減少に歯止めがかからないのです。そして、地方銀行は人口減少によりお金が集らず、企業も設備投資等が難しくなり、働ける会社も増やすことができないという悪循環に陥ってしまっているのです。

もし地方に帰りたくても、若者への受け皿さえ減っている現状ということね。なんかもう、やばさのスケールがデカ過ぎて、、。人がいるいないってこんなに大事なんだね。

「地方の現状やばくない?大丈夫か」心配された方々も多いのではないでしょうか。実は、みなさんが一度は聞いたことがあると思われる「地方創生」という言葉。国がこのような地方のリアルに対し立てた、一連の政策のことなんです。安倍さん、秋田美人は本当に救えるんですか。次章では、地方創生の政策について見ていきたいと思います。

3,焦る安倍さんの取り組み

現総理大臣の安倍さんは2回目の任期が始まった2014年9月の記者会見で、ある大々的な施策を発表しました。それが、地方の活性化を重視し日本全体の活力を上げることを目的とした、「地方創生」の一連の政策です。

はて、「地方創生」とは。では、その政策の目的からご紹介しましょう。

「①東京圏の人口集中歯止めをかけ、②地方の人口増やすことで、地方経済の活発化を目指す。」

というもので、地方経済の活性化をゴールとして2つの目的を挙げています。また、これは国が取り組む政策のことを指しています。おそらく、安倍さんも秋田美人が年々減少傾向にあったことに対し、非常に焦っていたのでしょう(完全なる主観です)。

さらに、地方創生には具体的に4つの基本目標が定められています。

①地方における安定した雇用を創出する。
②地方への新しいひとの流れをつくる。
③若い世代の結婚出産子育ての希望をかなえる。
時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する。

安倍さん、流石です。地方のこと、しっかり考えていらっしゃいます。このように、国を挙げて地方の活性化に向けての政策がなされている訳ですが、実際のところ、2章で見た秋田県のデータでは目的の1つである、人口減少が直近で止まっている様子はありませんでした。(秋田美人が救えてない!)

次章では、地方創生の政策は上手くいっているのかどうか、秋田県の地方創生のアクションを見ていきます。

4,秋田県のチャレンジ

秋田県大仙市では、まちなかへの都市機能の集約と、地元商店主の新たなチャレンジによる賑わいづくりを図っています。

具体的にはどんなものか。

・地域中核病院の移転など、医療・福祉・健康・交通等の都市機能をまちなかに集約し、交流結節点として賑わいを生み出すとともに、 商店街への回遊機会を創出すること。
・そして、創出した回遊機会を活かすために、地元デザイナーと協力し地元の素材や伝統を取り入れた独自商品の開発商店街マップの作成や、ご当地グルメPRなどを行うこと。

確かに、これはまちなかに人が集まりそう。ふらっと寄った商店街で買い物しそう。実際の効果として、中心市街地における歩行者通行量は、平成26年3,584人/日から、平成31年4,300人/日と増加しているようです。

うーん。効果は発揮してるけど、って感じですよね。やっぱり、ここまでひどくなってしまった地方の現状を変えるのはそう簡単じゃないんです。じゃあ、どうしていこうか。次章で私なりの意見をお伝えしていきます。

5,私たちのミッション!

国や地方の自治体が行っている秋田県での地方創生の政策は、効果は発揮しているものの、大きな収穫はまだ得られていない、という現状でした。これじゃ、秋田美人を救えません!

じゃあどうするのか。私は国や地方自治体に任せっきり、頼りっきりにするのではなく、若者を中心として一人一人が地元に関心を持ってアクションを起こすべきだと思います。

小さなことでも良いから、一人一人が出来ることをして、地域を復興させていく。たとえば、私が今住んでいる地域の商店街では、10,000円で11,000円分の商店街限定の商品券を買うことができ、大型スーパーなどに対抗して、商店街での消費を促しています。これを買って、商店街で消費するだけでも地域活性化の一つになるのです。

まずは、地方経済の悪循環を脱すること。それが私たちも出来る地方創生の一つでもあって、大事なことなのではないでしょうか。(そして、秋田美人を救うために一人一人が出来る小さなアクションでもあるのです。)


現在、1億2618万人の日本の人口は、2060年には8674万人になると試算されていて、65歳以上が5人に2人を占めるほか、生涯未婚の比率が5人に1人に高まるとされています(厚労省推計)。

こんな日本いやですよね。すれ違う5人に2人が65歳以上の方って、、。生涯未婚率も高過ぎるし。秋田美人も減っちゃうし。

政府や地方自治体に頼りっぱなしにするのではなく、一人一人が地方創生に対して関心を持ってアクションを起こしていく。小さな私たちのアクションが、商店街を復興し、地方経済を潤し、住みやすいまちを作り、若者の地方流出を阻止し、出生数を高め、地方の活性化に繋がるのです(そして、秋田美人を守ることにも勿論繋がります!)。これが、私たちが簡単に出来ることであり、私たちへのミッションでもあるのです。

『ミッション:「秋田美人」を守れ!!』では、秋田美人を救うために一人一人が出来ることをやっていきましょう!

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