実は増えている?みんな知らない石油のお話
突然ですが、自分の身の回りに石油製品ってどれだけあるか知っていますか。ガソリンやプラスチック製品、合成繊維、ゴム、塗料など身の回りのほとんどが石油化学製品によって作られています。改めて考えると、私たちは石油なしにはもう生きていけない生活を送っています。
そんな石油が「あと〇〇年でなくなる」という言葉、だれしも耳にしたことはあると思います。石油は有限資源であり、このままだとなくなってしまう。だから、石油をなるべく使わないエコバックやHV車などが近年推進されていますよね。
しかし、「あと〇〇年」の期限を何度か過ぎても、石油まだなくなっていません。なぜ石油は未だに枯渇していないのでしょうか。そんな不思議に今回は迫っていきます。
1.オイルショック
まずは石油の概要ついてパパっとおさらいしていきます。
石油のもとである原油は、化石燃料と呼ばれる植物や微生物の死骸が何億年もかかって作られた有限の資源です。人類はこの資源を経済拡大のために膨大に消費していて、そのためいつかは枯渇してしまうと何年も叫ばれているのです。
では、実際に石油がなくなると一般に危機感が沸いたのはいつでしょうか。それは、おそらくみなさん聞いたことはあるオイルショックが起因でした。
オイルショックとは、1973年に勃発した第四次中東戦争で苦戦したアラブ諸国が、「原油の価格を70%引き上げる」「イスラエルに協力する国への石油の輸出をストップする」という2つの決断を下したため、石油が輸入できなくなるのではという可能性と混乱が生まれ、日本ではトイレットペーパーの買い占め騒動などが起こった。
この頃に省エネという言葉が流行し、一般にもエネルギーの節約という概念が根付きました。また、1970年代ごろの調査では「石油の可採年数はあと30年」と言われ、この頃から石油の枯渇に対する危機感が沸いていたと思われます。
では、なぜ石油はそれから50年経った今でも枯渇していないのでしょうか。それは可採年数という言葉に鍵が隠されているのです。
2.可採年数とは
可採年数とは、「化石燃料を採掘できる残りの年数」ではないんです。
地球上に存在する原油の絶対埋蔵量のうち、採算がとれると判断された油田の埋蔵量が可採埋蔵量と呼び、この可採埋蔵量を1年間の石油生産量で割ったものを可採年数と呼びます。
つまり、「可採年数はあと30年」と聞くと30年後には石油がなくなってしまうのでは、と思いがちですが、可採埋蔵量とはあくまで経済的概念であり、石油・ガスを探し出す探査・探鉱の技術や生産技術が進歩して開発コストが下がれば、石油の可採埋蔵量は今後も増加していくものなんですね。
下のグラフは原油確認埋蔵量(可採埋蔵量)と可採年数の推移になりますが、技術革新によりどちらも年々増えていっていることが分かりますね。
3.感想
率直な感想としては驚きでした。化石燃料ってまだまだあるんだ!みたいな感じです。笑
ちなみに、原油生産量の世界一はアメリカなんだそうです。オイルマネーのイメージがあるサウジアラビアは実は2位なんですね。これはアメリカがシェールオイルという採掘技術の発展によるためだそうです。これについてもかなり驚きでした。
今回、このテーマについて書こうと思ったのは、バスに乗っていた際に「あれ?ガソリンってもうすぐなくなるって言ってなかったっけ?」と、ふと思ったからでした。
普段はそのような些細な疑問を放置しがちですが、調べてみると面白くて、他の知識と線で繋がったりもして楽しいものですね。笑
ご覧いただきありがとうございました!
4.参考文献
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