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確かなこと

午前3時
カーテンの隙間から暗闇を覗くと、しんしんと降る雨が聞こえる

こうなるとものの数秒でその気になって
ベランダ喫茶の開催が決まる

ヤカンを火にかけ
珈琲を挽き
タバコを用意  ウキウキ

よく分からないことは宙に放り投げ深夜のおセンチに浸る
じき暗闇は青色に変わる
最高密度の青色、その滲む速さに寂しさを覚える前に
朝日が無神経な顔で部屋に差す前に
カーテンをキチッと締めて静かな眠りにつく
流しきれなかったタバコの香りが心地よい

子供だった今までの20年間、何もかも劇的な変化を続けた。
保育園に行く前に毎日欠かさず見ていたアンパンマンには一切の興味を失い、中学生の頃に似合うと思って買ったWEGOのシャツは到底着られたものではなくなった。
24年目を過ぎたいま、変化は緩やかになった。

自分が気持ちよくなる方法を知っている
50年後の自分も、雨を聞きながら珈琲をすすり、心を煙草の煙に巻くことで、きっとまたこのなんとも言えぬ生ぬるい安心に戻ってこられる
そんなくだらないことに感情を持てるのが
人なのかなー、と

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