路線価について

■路線価とは
路線価とは、道路の値段のことです。その目的は相続税や固定資産税の課税対象額として利用されます。

土地は時価で計算するのが原則ですが、全ての土地の時価を算出するのは時間がかかります。
また、いつの時点で測定するかにより差が出てます。

このような問題を解決するため、税務署は道路に値段をつけました。この値段を「路線価」といいます。

ここで、道路とは「不特定多数の人が通行できる公道」のことです。

この道路の値段に土地の面積を掛けて、相続時の評価としています。

■奥行補正
奥行補正とは、奥行きが長く(または極端に短く)、使いにくい土地の評価を下げる減額補正のことです。具体的には『奥行補正率表』から奥行補正率を算出します。

奥行補正率表


普通住宅地区の場合、10m~24mであれば減額補正はありません。
10m~24mの奥行を適正と考え、それよりも奥行きが大きかったり、小さかったりすれば、土地の評価額は下がるということです。

■側方路線影響加算
角地の価値は高いという話です。
宅地が正面と側方の路線に接している場合に評価額が加算されます。
計算方法は

評価額=正面路線価+側方路線価
正面路線価=路線価×地積×奥行補正率
側方路線価=(路線価×地積×奥行補正率)×0.3(普通住宅地区及び中小工場地区の場合)

正面路線は、路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線です。

■二方路線影響加算
宅地が正面と裏面の路線に接している場合に評価額が加算されること。
正面路線の奥行価格補正後の価額に、二方路線影響加算率を用いて算定した価額を加算します。
正面路線の考え方や計算方法は側方路線影響加算と同じです。

■不整形地の評価
下記のステップで評価を算出します。
1.地積区分の確定
2.かげ地割合の計算
3.不整形地補正率の確定

1.地積区分の確定
地積区分表をに当てはめ地積区分を確定します。
A:500㎡未満
B:500㎡以上、750㎡未満
C:750㎡以上
普通住宅地区に500㎡以上の土地を持つ人の割合は極端に低いと思いますので、「地積区分はA」と覚えておけばいいでしょう。

2.かげ地割合の計算
まず「想定整形地の地積」を計算し、次に「かげ地割合」を計算します。

想定整形地の地積
例えば、接道部分10m、奥行10mの正三角形の土地50㎡があるとします。
想定整形地とは、接道部分10m、奥行10mの四角形の土地100㎡と想定することです。

かげ地割合
かげ地割合は、下記の式で算出します。
かげ地割合=(想定整形地の地積-不整形地の地積)/想定整形地の地積
上記の例で行けば、『(100㎡-50㎡)/100㎡=0.5』となります。

3.不整形地補正率の確定
『不整形地補正率表』から補正率を確定します。

不整形地補正率表


不整形地補正率は、10%以上(98%)から65%まで、5%刻みで補正率が変化します。
例えば、旗竿地においては路地状部分が長くなるほど評価価値が下がるということです。

■まとめ
プラス要因
・2面以上の道路に面している
マイナス要因
・不整形地
・奥行きが適正(12m以下、32m以上)ではない

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