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会社でのお仕事

田舎暮らしを始めて、一番影響を受けたのは仕事に対する考え方かも知れない。今の会社に務めてから、気がつけば20年以上が経った。転職したことは一度もないけど、取引先をいろいろと見てきた中では悪い会社ではないと思ってきた。ただ、一般的に大企業では「売上や利益」が最優先される傾向がある。多くの従業員、得意先、株主などのステークホルダーに囲まれている中で事業を継続、拡大していくために必要なのは理屈ではわかる。自分も自然とそうやって働いてきた。顧客が求める、便利でコストの安い、使い捨ての製品を販売し、そこで得た莫大な利益のほんの一部を環境慈善活動に投資する。そして社会に対して、大きなアピールをする。偽善も何もしないよりは100倍マシと思ってきた。でもいつもどこか違和感を感じながら働いてきた。

一方、田舎で元気に暮らすおじいちゃん、おばあちゃんは良くも悪くもお金を稼ぐことに無頓着だ。スーパーに並んでいる野菜とは比較にならないほど美味しくて新鮮な野菜を自分たちでは消費しきれないほど作っているにも関わらず、マルシェや産直などで売ろうとしている人は非常に少数だ。「こんな美味しいのに何で売らないんですか?」と聞くとみんな不思議な顔をする。お金を稼ぐより、親族や周りの人に配って「すごい立派だね」、「美味しかったよ」と喜んでもらえることに生きがいを感じている方が少なくない。そんな生き方を間近で見てきて、真似はできないけど純粋に素敵だなと思うようになった。

お金はとても大切だ。お金があれば、生活も安定するし、多くの理不尽な出来事も避けることができる。でもお金が全てではないし、世界で有名な大富豪が全然幸福そうに見えないから、余りに多すぎるお金は逆に不幸の元にもなりえる。程よい収入があって、地域に貢献できる仕事がもしあったら、きっと今の仕事より幸せなんだろうな。そんなことを最近よく考えている。

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