雑草部の部長について

「雑草部」

名前からして意味がわからない部活なのだけど今年で廃部になるとのことで少しだけ、僕が思う事を書き記そうと思います。
今年で廃部になるというのも、元々その予定で設立されてるってところからして不思議なのだけど。

まず雑草部について簡単に説明をすると、僕も参加している某オンライン写真サロン内での部活動の一環として立ち上げられた一つ。
他には「ガンダム部」とか「フイルム部」とか「動画部」とか、写真に纏わる内容が多い。

そして、こういう企画が始まると大体、作ったはいいものの特に活動する事がなく、幽霊部員ならず幽霊部活が生まれる。
これは、オンラインサロン発祥=部活もオンラインで行われる、が原因だと思う。
基本的な活動はLINEのオープンチャットを使用してコミュニケーションを取ることなのだけども、それだけなら趣味の合うもので勝手にやればいい。
部活、という括りにするとそこには義務が発生するし、知らない人と繋がる事になる。

まずそこがめんどくさい。

そしてその中で、空気を読めない発言をする人、自分が知りたい時だけ発言をする人、定期的な活動を行う時間がない人。
結果、立ち上げた本人すらその義務から目を背け形骸化していく。

大半がそういった部活の中で、雑草部は異彩を放っていた。

部長が毎日何かしらコラムを書く。
そして、メンバーにはリアクションを求めてくる。
いや、求めてくるどころじゃない。
グラフでリアクション数を出してくる。

僕は最初、どこのブラック企業かと思った。

朝から1,000文字以上の長文を書きなぐって送りつけてきて、しかもその内容が雑草なのか好きなアーティストに対してなのかおでんなのかなんなのかわかんない。
自分が好きなものに対する好きが病的な、サイコパスとも言える部長が毎朝毎朝、長文を送りつけてくる。
途中文字数が短くなったり朝じゃなくなったりしたけどいまだに何かしら文章を書いてくる。
そして定期的になんでみんな読まないのか、リアクションをしないのか、おそらく平然とした顔で責めるわけでもなく淡々と投げかけてくる。

いや読まねーから、朝から1,000文字も。
読むわけねーだろ。

なんて思っていたのだけど、部長はそれでも毎日毎日送り続けてくるしオンラインミーティングも行うし(僕のzoomアカウントを使うのはいいけど、終わったくらい教えてよって思ってた)、当時流行ってたオンライン写真展も行った。
しかもなかなかのクオリティ。
そして、不定期にオフラインイベントを開催し、なんと雑草写真集なんてものまで作ってしまった。
そう、彼は部長として行動し、雑草部はちゃんと結果を出しているのである。
大体の部活が、なぁなぁでただただイタズラにオープンチャットを増やすだけなのに対して、彼は雑草部としての活動記録を形にする事で、部長としてちゃんと責任を果たしている。
その間、何があったか説明もなく副部長の存在が消えようが、何があろうが、彼はやると言った事を部員が協力しようがしなかろうが。

そんな雑草部の部長、平井 裕士。

彼はただひたすらに素直に、部活動という意味をちゃんと理解して責任を果たしている。
学生の頃の部活を思い出すと、幽霊部員は責められ問われそして、排他されていく。
実はなんとも普通の部活である、雑草部。
なのにどうしてもこの人はおかしいと思ってしまう、平井 裕士。

雑誌に対しての興味なのか、平井 裕士に対しての興味なのか既にわからないのだけども。

それでも。

狂気と言われようがなんだろうが、正しくあろうとしているこの雑草部を、平井 裕士がどのようにして活動を終えるのか。

できる限り最後まで、名もなき草として見届けたいものである。

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