新たな進化

目次

AI時代
現在の状況
生き残るための対策

AI時代

「AIが神になる」
「AIが人類を滅ぼす」
「シンギュラリティが到来する」

このようなことがAI時代を迎えた今言われている。

しかし、このようなことが起こることはない。

当面の間は

というのも、
AIはコンピュータであり、
コンピュータは計算機であり、
計算機は計算しかできないからだ。

そう考えると、
ロボットが人間の仕事を全て引き受けてくれて、
人工知能が意思を持ち、
自己生存のために人類を攻撃することは
ないとわかるはずである。

しかし、人間の仕事をAIに取られて失業することがないのではない。人間の仕事をほとんど代用されてしまう時代はすぐそこまで来ている。

かつて、工場で大量生産がおこなわれていたが
そこに機械が導入されてしまったことにより
そこで働いていた人々は仕事を盗られてしまった。

その時であれば、また新たな仕事が生まれ
大量に職を失う人が生まれるわけではなかった。

しかし現代はかなりのスピードで発達しているのだ。
かつてのように、機械に代替されても新しく仕事が生まれると考えてはいけない。

なぜならば、機械が代替するような
”知識を必要とする仕事”というのは、
先ほども述べたとおり、計算式で出来上がっているものであれば、何でも代替できるのである。

ということは、
機械が出来るような仕事しかしていなかった人たちは 、ほとんどの仕事を機械に代替されている現代で次にどのような仕事につけるのだろうか。


きっと仕事を探すのは困難になってくるはずだ。

私たちもそうならないために
今後どういう風にしていけばいいのか。

現在の状況

大前提として、基礎読解力を上げていくことが勧められる。
理由として、現在の学生の基礎読解力がAIよりも劣ってきていることが挙げられる。

例として、東ロボくんが挙げられる。
東ロボくんは、「現在および近未来のAI技術・ロボット技術が導入されることで、2030年の社会がどのよう に変化するかを科学的に明確化することを目的に、大学入試をベンチマークとして、我が 国における学際的な知識・先端技術を集積し、これまで蓄積された人工知能の各要素技 術の精度を高め、2016年にセンター入試で高得点、2021年に東大入試突破を目指す。」という目的で始められたプロジェクトである。

成果として
数学の大学レベル記述式問題において、自然言語の入力から解答までend-to-endで自動出力するシステムを世界初構築。
(AAAI, IJCAR, ISSAC, ACL等トップ国際会議で採択)
世界史の正誤判定問題で80%以上の精度を発揮。MARCH・ 関関同立クラスを含む大学の70%で、合格可能性80%以上を達 成。東大記述模試では数学・世界史で偏差値76.2, 51.8を達成することができた。

AIは、過去の莫大なデータとパターンを詰め込んでできている。そのため、選択式の模試では、知識さえあれば正解できるのである。

AIは意味は理解できない。 正しさは保証できない。ただし、大規模データと深層学習を用いると、 よく「当たる」こともある。という仕組みになっている。
しかし、そうすると意味を理解していないAIよりも、意味を理解している学生が負けてしまっているということになってしまう。

生き残るための対策

では、私たちはどのように対策していけばいいのだろうか。
その案として先ほども述べた「基礎読解力」であると考えられているのである。

基礎読解力の一般的である
PISA型「読解力」は,次のように定義されている。

自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し熟考する能力

つまり、今現在日本の学生はこの能力が欠けているということになる。
さらに読解力が欠けていると具体的に以下のような事態になってくる。

教科書が読めない

予習も復習もできない 自分ひとりでは勉強できない 貧困下でも塾に通わなければならない

勉強の仕方がわからない AIに職を奪われる・新しい職種に移動できない

労働力不足なのに失業や非正規雇用が増大

格差拡大、内需低下、人口がさらに減少

学校の授業は、生徒は「教科書を読んで理解できる」ということを前提に設計されている。あるいは、教科書の執筆者は、〇年生であればこれくらいの文章は理解できるはずだろうと推測して教科書を書かれている。しかし、子供の多くが教科書を読んで理解できていないとすれば、その前提は崩壊してしまう。

国語や算数・数学、理科、社会の問題を「解く」能力を培う前に、問題文を理解する日本語を読む力を養わなければならない。それが、今の教育には抜け落ちている。

中学を卒業するまでに、中学校の教科書を読めるようにすることが最善ではあるが、
中学校をすでに卒業している私たちができることは
普段から様々なことに興味を持ち
思考していくことであるだろう。

普段から推測し思考しておくことで、
話の流れを掴み、また数歩先まで考えることができるのではないかと思う。

今のこの私たち状況は
悪く言えば、
AIにより危機的状況にいるのかもしれない。

しかし、逆によく言えば
AIにより新たな進化を遂げる最中にいるのではないだろうか。

このチャンスを生かすも殺すも
私たち自身である。

たくさんの思考を凝らし、成長し、
世界を豊かにすることができれば
素晴らしいと私は思う。

参考文献
新井紀子,2018,『AI vs. 教科書が読めない子供たち』,東洋経済新報社