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DTM音源マスターへの道 【03】ピアノ音源 〜THE GRANDEUR〜

こんにちは。

音源のお勉強ばかりしていると少し飽きてきて曲を作りたくなってくるのですが、打ち込みを始めようと思っても結局音源の使い方がわからずに、またまた音源のお勉強に戻ってくる。という感じの今日この頃です。

今のところ、ドラム音源のStudio Drummerとベース音源のScarbee MM-Bassについてはマニュアルを一通り読んだので、あとはピアノ音源について確認したら次は曲作りにチャレンジしてみようと思います。

ということで今回はピアノ音源のTHE GRANDEURです。

いつものように最初はマニュアルを読むことから始めます。

NIさんのサイトからマニュアルをダウンロードしてと、

マニュアルは日本語かな?

お、THE GRANDEURのマニュアルは英語と書いていないので日本語なのかなと期待しつつダウンロードしたら…英語でした。Scarbee MM-Bassのマニュアルはちゃんと英語と書いてあったのに…と思いながら、いつものように英語のマニュアルはDeepL翻訳の力を借りて翻訳してから読みました。

THE GRANDEURについて

NIのホームページの説明では、

THE GRANDEURは、世界で最も貴重なものの一つとされるコンサートグランドピアノのディテールを突き詰めたリッチなサウンドを収録しています。

https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/keys/the-grandeur/

と書いてるのですが、マニュアルには

a virtual instrument that replicates an exceptional Hamburg Steinway D Concert Grand Piano.

THE GRANDEUR英語マニュアルより

と、ハンブルク製のスタインウェイというピアノを再現するために作られた音源と書いてあります。スタインウェイってとても有名なピアノですよね。それを再現というだけでもワクワクしてきます。
しかも18のベロシティーゾーン、キーごとに9つのサンプル、サンプル数2500以上、容量14GBと、スペックを見るだけでもすごい音源ということが伝わってきますね。

設定項目は大きく3つ

THE GRANDEURのコントロール画面

THE GRANDEURの設定の入り口はとても分かりやすいです。
コントロール画面に大きく3つ設定項目が3つ、四角で囲まれて表示されています。大まかな設定は、この画面上から全て行うことができます。さらに細かい設定を行いたい場合には、矢印をクリックして詳細設定画面で設定を行うという仕組みです。

  • TONE:音色の特徴をコントロール

  • ANATOMY:ダイナミックレンジやレゾナンスなどの設定

  • SPACE:音響空間(リバーブ)の設定

初心者の私にとっては、この画面の設定だけで十分そうです。実際にツマミをいじってみると明らかに音が変わるのでとても分かりやすかったです。

ここから詳細設定も含めてどのような設定ができるのかについて確認して行きます。

TONE:音色の特徴をコントロール

TONEの詳細設定画面

まずは初期画面での設定項目について
COLOR
音色のソフト、ハードをツマミで設定します。
LID
グランドピアノの蓋の開き方を3段階で調節します。
蓋が開いているほど高音がくっきり、蓋が閉まっていると高音が弱くなり低音がソフトになるとのこと。

次に詳細設定項目です。
EQUALIZER
高中底域のレベルをコントロールします。
TONAL DEPTH
ドライピアノの音に付加されるレゾナンスの量を調整します。
レゾナンスということは複数の音を同時に鳴らしたときに共鳴した響きが得られるということでしょうか。確かにツマミを大きくするとホワンホワンという音が付加されて、よりリアルに聞こえるような気がします。
TRANSIENTS
TRANSIENT MASTER エフェクトで生成されるエクストラサイズの設定?と書いてあってよく分からないのですが、ツマミをSUSTAIN側にすると音がより伸びるような気がします。
調べてみるとkompleteのエフェクトの中にTRANSIENT MASTER エフェクトというものがあって、アタックを持ち上げたり、サスティンを伸ばしたりするというような機能があるようです。
LOW KEYS
ミドルC以下の鍵盤の音量を調節します。
どうしてこんな機能が必要なのかと思って少し調べると低域がしっかりすることで曲が安定するという効果があるそうです。そういえば、先日ボーカルミックスをする際にボーカルの低域は他の楽器とぶつかりやすいという情報がありました。楽器で低域を強くしてボーカルは低域を弱くするのかなーなんてことを考えましたが、最終的には全体のバランスが重要なんだと思います。
COMPRESSOR/TAPE
このコンプレッサーは一般的なコンプレッサーとは違ってプリセットからキャラクターを選択して量を調節することしかできません。マニュアルにはダイナミックレンジをコントロールするだけでなく、エンベロープを変化させてサウンドそのものを変化させると書いてありました。

ANATOMY:ダイナミックレンジやレゾナンスなどの設定

ANATOMYの詳細設定

初期画面での設定項目について
DYNAMIC RANGE
ダイナミックレンジというのは信号の最大値と最小値の比率のことを言うようです。このツマミを小さくすると鍵盤を弱く押してもそれなりの音量で音がなります。大きくすると鍵盤を弱く押すと小さい音が、強く押すと大きい音がなります。マニュアルを読むと音の大きさによって鳴らしているサンプルも変えているようです。とても凝ってますね。
RESONANCES
ピアノのサスティンペダルを踏むと全てのダンパー(弦の振動を止める装置)が一度に上がり、全ての弦が共鳴するようになるとのこと。その際の共鳴度合いをここで調整します。

詳細設定項目について
OVERTONES
倍音サンプルを有効にします。と書いてありました。
複数の鍵盤を押した際に共鳴が発生する場合があり、その度合いを調節するとの事です。
STEREO IMAGE
ステレオの幅の広がり方を設定します。一番左に回すとモノラルになります。
KEYS
キーボードや演奏方法に合わせたベロシティの反応をプリセットから選択します。
PEDAL
ペダルの設定を行います。
RELEASE SAMPLES
ピアノの音はダンバー(弦の振動を止める装置)で止めようとしてもすぐには止まらなくて余韻が残るので、その余韻を調整するのがこの機能です。
NOISES
生ピアノは弦の振動で発生する音以外に、ハンマー、ダンパー、ペダル、弦自体が発生させる音があり、それらをノイズとしてコントロールします。
TUNING
ピアノの調律をすることができます。436Hzから444Hzまで。

SPACE:音響空間(リバーブ)の設定

SPACEは詳細設定はなし

SPACEというのは音響空間ということで、リバーブというエフェクトの設定を行う項目です。この機能は詳細設定はなく、最初から表示されている設定項目のみで設定を行います。

最初に一番下からプリセットの空間(部屋)の種類を選択して、
AMOUNT
リバーブユニットに送られる信号の量を調整します。
SIZE
選択した空間のサイズを調整します。
DISTANCE
元の音からリバーブが開始するまでの時間を調整します。

最後に

最初は簡単そうに思えたTHE GRANDEURですが、詳細設定まで見てゆくと本当に細かなところまで設定ができるようになっているので驚きました。生楽器をコンピューターで再現する際の製作者の方の苦労が少し分かったような気がします。

また、今回学んだ知識を持ってから改めてTHE GRANDEURの音を鳴らしてみると今までよりも、より良く聞こえるような気が…。これって今までは意識していなかったダイナミックレンジやレゾナンス、ノイズなどを意識するようになって今までは聞こえなかった音が聞こえるようになった(気になっている?)からかもしれません。

音源を理解するというのは、音楽を作るだけでなく聴く方の楽しみも広げてくれるのではないかと思いました。確かに難しいのですが挫折することなく続けて行きたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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