それぞれの理由

俺は静岡県生まれ育ちである。
それでももう静岡県には実家はないし、親しい友達もそれほどいない。最後に静岡県を訪れたのは2018年の年末。
通学で使っていた駅を昔とは違う盲導犬と一緒に歩くというのはなんとも不思議で新鮮なものだった。
そんな日以来行ってはいない。
実家は俺が18歳の頃に沖縄に移住してしまった。そしてその沖縄が実家になってからの年数の方がもう長いのだ。
それでも、俺は東京で暮らしている時期の方がまた長くなってしまった。
高校生の頃は文京区、大学生になって板橋区、卒業後は練馬区、分け合ってその後は実家に戻って7年ほど。
そして、大阪で半年、その後からは今現在練馬区に住んでいる。
練馬区に住む理由は、大学時代のなじみの感覚もあるだろうけれど、友人が近くにいるというのも大きい。
それでも、さいきんではあまり友人に会うチャンスがないので、ちょっと寂しい。
そして、今度は初めて埼玉に引っ越すことになった。
しかも、そこは縁もゆかりもないふじみ野市。部屋探しの結果!というだけのことである。
通勤時間はやや長くなってしまうが、こればかりはもう仕方のないことだと諦めている。
ただ、初めて知り合いのいない地域に行くというのは、なんとも複雑な気分である。
新しい生活を始めるに当たり、できる限りのリセットをするとこういうことになるんだなと思っている。
それでも、数ヶ月、数年たったとき、「ああ、これはこれで良い場所だな」って思うことができるようになったら良いなと思っている。
結婚生活を幸せにオウルことができたこの練馬という地域は、俺にとってやはり好きな場所なんだなあと思う。

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