『既知作品の新規感想(初見感想)』は最上の娯楽である。
『既知作品の新規感想を眺める』ことは最上の娯楽であることがよく知られており、古代ローマのコロッセオでも「ガリア戦記の初見感想をツイートする人 対 血に飢えたライオン」という見世物が存在したことが記録に残されている。
こんにちは、珍評家のお望月さんです。
このところ、これまで触れてこなかったジャンルの作品に手を出して軽率に感想をつぶやくことによってタイムラインの攪拌が進み、健全なエンタメ摂取サイクルが培われています。地中に埋まっていたフォロワーが表出して酸素を吸収し始めている光景が観れたりして、いやあ、基地作品の新規感想は最上の娯楽ですね。
▼あなたは摂取したコンテンツについて正式名称で感想を漏らすべきだ。
このように新しいジャンルに手を出して軽率に感想を述べることによる利点がいくつかあります。
・敏感な『そのジャンルの感想を求めている人々』を容易に巻き込める。(趣味の拡大)
↓
・『それを好きな人が好きなモノ』へのリーチが非常に容易になる。(趣味の横堀り)
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・あなたの感想をきっかけに新規参入した人の感想をあなたは読むことができる(趣味の円環)
有名な「多趣味の三原則」と呼ばれる、拡大、横掘り、円環を一連の流れでカバーすることができるのです。特に3つ目の利点である「円環」が重要で、私の敬愛するインターネット聖人がこのように書き残しています。
タイムラインで見かけたときに「全く見たことない」と「誰かが言及していた気がする」で向き合い方が全然変わってくるので、好きなモノの正式名称はバンバン上げていこうな。
あなたがその作品に触れることで、触媒のように光のインターネットが広がっていく。こういった行動はTwitterでもNoteでも気軽にやっていきましょう。
▼感想はポジティブな意見でなくてもよい。
これは誤解されやすいんですが、コンテンツの感想についてはポジティブな意見でなくても問題ありません。コンテンツの既存読者・視聴者はむしろ「鑑賞中の心の動き」や「新鮮で多角的な意見」を欲しています。あなたが率直な指摘を述べることが呼び水となり新たな議論が生まれ、多ジャンルの視線を浴びることで作品が立体的に立ち上がり、新鮮な感想の輪が広がっていくことでしょう。
コンテンツに対する妄信的な感想は界隈(クラスタ)が最も恐れる課題です。あなたはそのコンテンツを信仰する必要はない。そのコンテンツを含めた、様々な感想が行き交う広範囲の文脈コミュニティを築き上げることを目的とするべきでしょう。
例1)
「例の小説、序盤がとにかく退屈なんですけどおもしろくなるんですか?」
(俺を信じてもう少し読んでみろ……)
「あ、さっきまでの退屈な展開は……ここからひっくり返すための!?」
(ニッコリ)
例2)
「この映画、ちょっと露悪的じゃないですか?」
(わかる)
「え?」
(おれもそこはどうかと思う)
「ですよね」
こんなやさしい世界が待っているはず。
▼キープオンルーピング!
あなたが積極的にコンテンツについて述べることで人脈が拡大。横断的に趣味の幅を増やし、あなたの影響でジャンルに参入する人が増える。理想の論理ビオトープです。円環しながら少しずつ変化を加え、少しだけ上や下にループしていく。キープオンローリングではなく、キープオンルーピングで多趣味を楽しんでいきましょう。
▼未来へ
これまでの戦いは、次いで訪れる「コンテンツ家族期」を打破する原動力となります。コンテンツが血肉になり周囲を同種のクラスタに囲まれ半ばセクト化した状態。わざわざ口に出さずとも周囲との同意が取れてしまうため、コンテンツに対して発信することがなくなってしまう。(コンテンツ家族期については、また今度やるかもしれません➡︎書きました!)
集団幻覚を発生させがちな【胡乱クラスタ】が愛好する作品群は、特に新鮮な感想を求めています。是々非々が常態化した健全な界隈なので多少のネガティブ意見は大丈夫。新人をチヤホヤしてくれるので #チヤホヤの器 を鍛えるチャンスです。
【胡乱クラスタ】
読解に「大量の文脈コストを要求するタイプの作品」ばかりを愛好する一定範囲の界隈(クラスタ)。《訳のわからない符丁(ハイコンテクスト)》で会話する蛮族だが知性と良識が高く一定以上の社会性を備える。学習意欲と発表欲が強く集団幻覚をはじめとしたインターネット文化を生み出していたが21世紀初頭に乱獲により絶滅した。
▼家族期についての補足
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