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【餅】逆噴射プラクティス&自作創作物のまとめ

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自作の創作佛のまとめです。 逆噴射プラクティス参加作品とZINE的なヤツや一次創作、二次創作、Webサービス及び名状しがたい何かを収蔵します。
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#相撲

『狂気山部屋にて』

「発狂用意」行司の声がそのように聞こえた、と大関・群馬灘は語った。だが、それ以降の記憶が曖昧だという。 「初めは強く当たって――その後のことはよく覚えていません」 取組のVTRを見ると幕内最重量の巨漢大関が小兵・土根性(どこんじょう)に突き当たり、廻しを取った途端に膝をついて敗れている。決まり手は「腰砕け」とされ、幕内下位の土根性が八連勝で勝ち越しを決めた。 今大会の台風の目となった小兵・土根性。長年膠着した上位陣を切り崩す若手の台頭に相撲界が沸いたのも、わずか数日間だ

クリスマス☆マンドラゴラ☆スペシャル『狂気山部屋にて』

クリスマスと言えば?そう「マンドラゴラ」ですよね。枕草子にも「冬はつとめてマンドラゴラ畑で死んでる烏帽子いとをかし」とあるくらいの風物詩です。 今年も冬の祭典「きつねマンドラゴラ小説賞」がやってきました。昨年度から一気にスケールアップ、参加者数と作品数が大幅アップで盛り上がっています。 作品投稿期間は、2020年12月22日(火)18:00〜2020年12月28日(月)23:59 まだ間に合うぞ! 今回、私もマンドラゴラ小説賞に作品を応募させていただきました。投稿先はカ

🎁「ワールド・ウォー・"S"」( #国技館ロイヤルランブル 第三帝国編)

メリークリスマス! #全プロット公開チャレンジ をプレゼントするよ! この文章は連載前の時系列整理のための年表及びプロットであり、連載時には変更される可能性があります。 (これまでのあらすじ)世界規模の格闘スポーツとなったSUMOは、世界巡業や街道レース等を行い興行的にも修練的にも成功を収めていた。だが、順風満帆の運営の影に悪の帝国の影が忍び寄っていた。 20X9年 初場所(両国国技館) シドニー場所から帰還した主力本隊16名とジャパンカップで鎬を削った16名が合流

#どすこいジャパンカップ 総合目次(全4話完結済)

題名:どすこいジャパンカップ 話数:全4話 連載期間 2018/11/28-12/05 作者:お望月さん (@ubmzh) ジャンル:市街地レース、競馬、バイオレンス、ファンタジー、アクション、格闘技、相撲、神話、クゥトゥルフ神話、サイバーパンク レイティング:RIKI=C(軽度の暴力、男性の裸身、宇宙的恐怖、自我崩壊が含まれます)*RIskfotKIds標準規格 一時期、全13話の完全版があると噂されたが、それは存在しない。いいね? あらすじ「国技館ロイヤルランブル事件

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第4話/終)

(第3コーナーのおさらい) 全世界が注目する今年最後のG1レース。 「ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。 ──────────── どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)第4話「最終コーナー」 ──────────── 01. 泥土竜 【脱落】 02. 酸鼻 【脱落】 03. 穴昆蛇(あなこんだ) 【脱落】 04. 潮測(しおはかり) 05. 聴海(ちょうかい)【脱落】 06. 模写櫓(もしゃやぐら) 07. 押井守(おし

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第3話)

(第二コーナーのおさらい) 全世界が注目する今年最後のG1レース。 「ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。 ──────────── どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)第3話「第3コーナー」 ──────────── 01. 泥土竜 【脱落】 02. 酸鼻 【脱落】 03. 穴昆蛇(あなこんだ) 【脱落】 04. 潮測(しおはかり) 05. 聴海(ちょうかい) 06. 模写櫓(もしゃやぐら) 07. 押井守(おしいのかみ

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第2話)

(第一コーナーのおさらい) 全世界が注目する今年最後のG1レース。 「ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。 ──────────── どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)第2話「バックストレート」 ──────────── 出走力士01. 泥土竜 02. 酸鼻 03. 穴昆蛇(あなこんだ) 04. 潮測(しおはかり) 05. 聴海(ちょうかい) 06. 模写櫓(もしゃやぐら) 07. 押井守(おしいのかみ) 08. 福の胆

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第1話)

全世界が注目する今年最後のG1レース。 「大相撲ジャパンカップ」両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。 今年最も活躍した力士たちが集い最強を決めるワンデイレースは、大横綱大銀河ら主力が国際巡業に旅立ったという試練の1年間を支え続けた若手力士の次期エースを占う大切なレースになるだろう。 パドックに連なり、すり足を続ける力士達。予想のために肌つやを確認する観客や世話をする力士養成員達も真剣だ。 「ハーキュリーズからすごいと聞かされていたが……こんなものかジ

#国技館ロイヤルランブル 【製作ノート】

(ネタバレ要素が多いので後日有料化するかも。また、追加の質問などがあれば追記の形で回答します) 「国技館ロイヤルランブル」のライナーノーツです。 本編についてはこちらをご覧ください。【製作ノート】おつかれさまでした。 本作は一気に書いたのでほとんど創作メモは残っていないんですが、要素を思い出しながら書き残しておこうと思います。 2018年4月にパイロット版が誕生本作の執筆は2018年4月に急に頭に沸いたアイデアを発端とする。 「力士を大量に土俵に詰め込んだらきっとおも

「国技館ロイヤルランブル」(13/終)「It's "SUMO" World」

01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13| (先場所の様子) 「どすこーい!」「どすこーい!」『大相撲混沌場所ロイヤルランブル事変』から数年。"次元猟犬"多角力が土俵へ顕現するなど相撲業界の様相は激変したが今もクラシカルな伝統相撲を続けるのが大銀河部屋の力士達だ。大横綱の名跡を継いだ横綱大銀河を中心とする銀河軍団はいまなお日本の伝統美を象徴している。 「どすこーい!」 「どすこーい!」 豊臣秀頼による日本支配の野望は潰えた。己の全余

「国技館ロイヤルランブル」(12)「deus ex machina」

01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13| (前回の取組) 触手の持ち主は土俵下の職員キャップにジャンパーの若者。彼はキャップを外し土俵へ上がった。「国家安康党」首領、豊臣秀頼その人である。 「SHHHH!!! 下郎ども頭が高いぞ!!」 土俵上には現役の両横綱、若銀河と万寺。二人は顔を見合わせ(俺が先にいくぜ)(応)(あとでやろうな)ウィンクをした万寺が一歩前に出た。若銀河は後ろに下がり腕を組んでの構え。万寺が腰を深く落とし……殺意

「国技館ロイヤルランブル」(11)第十一話「旧支配者」

|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13| (前回の取組) 横綱万寺、メキシコ出身。 貧しいスラムで育った彼を拾い、まっすぐ育てたのは肉塊親方であった。慣れない環境、合わない食事、厳しすぎる稽古。「いつか殺してやるよ」と笑いながら軽口をたたきあう、肉親以上の肉塊親方が死んだ。 横綱若銀河、東京都出身。 大横綱の父を追い自らも横綱となったがいつも巨大な背中を追い続けていた。初めて本割で父親と立ち合い、ついに自らに足りないものをつかんだ

「国技館ロイヤルランブル」(10) 第十話「国盗り」

|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13| (前回の取組) 土俵下、時限ゼミの元へ近づく影があった。相撲協会の職員キャップとジャンパーを着こんだ巨漢。団体職員……ではない。この顔はテッポウ禁止の通路でハーキュリーズ・ヘラクレスと立ち会っていたあの男ではないか。 「よく頑張ったな」 「坊チャン……」 「もうひと頑張りしてもらうぞ」 「オレ、モット相撲トリタイ……」 「ああ取らせてやるよ」 巨漢は時限ゼミのまわしに再び黄色と黒のさがり

「国技館ロイヤルランブル」(9) 「かわいがり」

01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13| (前回の取組) 土俵下で大銀河の強烈な上手投げを受け失神していた時限ゼミの意識が復帰した。土俵を見上げると、そこには二つの相撲竜巻が発生していた。 横綱若銀河は大銀河と睨み合い、それだけで強烈なオーラが発散されている。 横綱万寺は肉達磨の強烈な打撃を避け続けている。それらから距離をとり漁夫の利を狙うのは八極弾だ。 肉達磨の強烈な蹴たぐり!万寺は片足を上げて受けるが鉄の棒で殴られたような痺