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アイツの告別式に会社からの出席者はひとりもおらず、自動生成の弔電が合成音声で読み上げられていた。息子の遺影と同じ顔の「俺たち」を見た老里親がギョッと顔を強張らせる。焼香を済ませた俺は里親に目礼をしてそそくさと式場を後にする。 式場のはずれにある喫煙所に俺たちが集まってきた。黙って煙を吐き続ける。俺たちのロットは紙巻きを吸う最後の自律治具らしく(後輩ロットは、そもそも喫煙習慣を持たない)自然と喫煙所にいるのは俺たちだけになった。 俺たちはロット不良と呼ばれる世代だった