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僕は森の中の縦穴に火を投じる。メラメラ、パチパチと小気味の良い音を立てて本が燃えていく。炎の舌に舐められた本がパタパタと身をよじり、最後の悪あがきをしている。僕の顔は、炎の照り返しを受けて赤く染まる。 切り株に腰かけながら、木の枝で黒く燃え尽きた表紙をつつくと無傷の頁が露わになる。僕は丁寧に頁をめくり、真新しい紙面を451度の炎に晒していく。 全ての本が燃え尽きたのを見届けて、僕は焚書場を後にする。 森のけもの道を歩く。この島は、どこにいても潮騒と念仏が聞こえて