『親切・オア・ダイ』第一章(全セクション版)
本作品は、カクヨムに掲載された『親切・オア・ダイ』の第一章を全掲載したものです。また逆噴射小説大賞2020に応募した『超高速《蜘蛛の糸》』と世界観を共有しています。(約8500文字。20分程度で読めます)
第1話「交通安全の注意喚起」 思えば俺はずっと走り続けていた。懸命に死神に追い付かれないように振り返らずひたすらに走り続ける。返り血を浴びたまま、このクソ寒い夜に汗水たらして逃げ回っているのも、その一環だ。このまま俺は走り続け、やがてモルモットのように死んでしまうのだろう