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【親愛なる読者の皆様へ】 世界観の再設定を行った約1万文字のフルスケール版を掲載しました。 こちらもお楽しみください。 2020年7月。山口県下関市壇ノ浦。梅雨明け、快晴の海水浴場に血の雨が降った。早朝からサーフィンを楽しんでいたカップルが無残な姿で打ち上げられたのだ。第一発見者の平家蟹漁師、山田安徳(58)によると、上半身または左半身のみになったその死骸は苦悶の表情を浮かべ、まるで即身仏のように干からびていたという。 「羯諦羯諦波羅羯諦羯諦羯諦波羅羯諦」 安徳は悼むように