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みんな、なんていいから

"「みんな頑張ってるんだよ」
「みんな辛い思いをしてるんだよ」

 みんな、みんな、もうたくさんだ
 そんなのどうでもいいから

 君のその頑張りを掬わせて
 君のその辛さを抱きしめさせて "

皆そのくらい頑張ってる。皆はもっと頑張ってる。辛いのは皆同じ。もっと辛い人がいる。自分の頑張りを否定されたり辛さを軽んじられたことがある人は少なくないのではないかと思う。

皆、皆、皆。慰めのつもりなのか鼓舞しているつもりなのかは知る由もないけれど、少なくともわたしはこういった言葉たちに下手な悪口よりも心を抉られ追い詰められた。

わたしは頑張れていない、このくらいできて当たり前、このくらいの努力も出来ない自分はダメなやつ。わたしのこれは辛さにも満たない、辛いなんて思ってはダメだ、大丈夫でいなくては。

そんな思考が染み付いて離れなくなった。誰かからすればその程度のことなのかもしれないけれど、それはわたしの心をめちゃくちゃにするのに十分な思考だった。

もし何処かに同じように感じている人がいるのなら言いたい。皆が頑張っているからといってあなたの頑張りがなくなる訳じゃない。皆も辛いからといってあなたの辛さがなくなる訳じゃない。

皆がどうとかそんなのどうでもいいから、他の誰でもないあなたのその頑張りを掬わせてほしい。他の誰でもないあなたのその辛さを抱きしめさせてほしい。よく頑張ってるね。辛かったね。