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わたしの夜明け
優しくなれなかった。大切なあの子に寄り添いたいと思うほどに、苦しくて苦しくて。
自分のことすらままならない日々に、死にたいあの子の言葉の雨に打たれ続けて。
「そうだよね」(もうわかったよ)
「そっか」(もう聞きたくない)
「ごめんね」(殺せないってば)
「辛いね」(わたしだって...)
限界だった。ただでさえ生きられないのに、それでもと何とか光を見つけて這いつくばっていたのに、なんて湧き上がるのは優しくなれない自我。
突き放せない、だけど優しくもなれない自分が気持ち悪くて仕方がなかった。自分の弱さが受け入れられなかった。大切な人の言葉ひとつ受け止められないなんて。いやひとつどころじゃないけどさ。
ああ関係ないけどそういえばずっと残薬でやりすごしてきて、そろそろ行かないと、と。
夜は明けた。優しくなれないわたしを宥めたのは、美しい朝焼けでも綺麗な言葉でもなく、結局小さな五錠の薬だった。