軽薄

必ず朝は来るだとか、止まない雨はないだとか。そうじゃなくて今辛いのを何とかしてくれだとか。いやいや朝が来るからつらいんだとか、太陽が眩しくて苦しいんだとか。なんでもいいよ、もう。

夜はただそこにあるだけだし雨はただ降っているだけだし。なんだ情緒の欠片もないと言っておしまいにしてくれてもいいんだけれど、全て含めて夜はやっぱり夜だし、雨はやっぱり雨ってただそれだけ。

そうだな強いて言うならば、わたしはあなたの明けない夜が少しの寂しさとあたたかさに包まれているようにだとか、あなたに降り注ぐ雨が少しの痛みと優しさでできているようにだとか、そういうことを願ってたい。

ああそういえば、１＋１は３にも４にもなるらしい。数字は明確だなんて嘘っぱちだ。なんて言ったら否定することになってしまうだろうか。わたしの慕うあの人は決して１番にはなれない。１番になれないあの人こそがわたしの王様でいちばん。ただそれだけ言えたなら。