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コンセプトの「文体」の話 ハウステンボスの可愛いドレスが教えてくれたこと

この記事では、自問自答ファッションにおける「『コンセプト』の文体」と「制服」の話をしています。

私は自問自答界の新参モグラのため、すでにされている議論をそうと知らずに掘っているかもしれません。もしコンセプトの「文体」に関する話題にお心当たりがありましたら、教えてもらえると嬉しいです(本当にただ嬉しいです!)。


自己紹介(急ぎ足)

2024年2月にあきやあさみさんの御本『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』を読んで、自問自答ガールズになりました。
コンセプトを決め、二度の断服式を行い、自己評価靴と自己紹介バッグをお迎えしています。

今は、夏の制服(3.5セット)のうちほとんどがヨレヨレであることに気づいて、急遽組み直しを迫られています……!

自己にまつわる追加の話:名前について

自問自答ガールズとしての名前も考えてあるんですが、まだ一度も名乗れていません。
Xもnoteも、運用して数年のアカウントがあります。私は、複数アカウントの運用が極度に苦手で(作ったサブアカウントは今に至るまでに全て消しました)、既にあるSNSの名前を変えることにも抵抗があり。

何かの機会があればもぐらネームを名乗ります😌ここでは「u_u_c(ゆゆし)」、二次創作小説とキャンプをやる者です。

制服を外れつつある、Tシャツとスカートのこと

この夏の制服のひとつにしていた、花柄のTシャツと楊柳のプリーツスカートの話です。

どちらも買ったのは4年ほど前でしょうか。気に入っていて、毎年着ていました。

色や形が体型と好みに合っていて、たぶん似合っています。どちらも肌触りがよく、洗濯乾燥をかけてもへたりません。頑健です。スカートは総ゴム、ポケットも二つ。完璧です。
自問自答ファッションでわかったことですが、私は頑健かつ肌触りがよくて苦しくないものが好きらしいです。
アクセサリーは、透明で、光と影のあるものが好きです。これはアクセサリーのワークなどを通じて気づきました。自問自答、おもしろ〜い……!

おお、話が逸れました。

そんなわけで数年使っている服ですが、今年の夏の断服式で、それほどくたびれていないと確認しました。コンセプトにも合っているので、夏の制服のひとつとして残留。他の服を減らした分、昨夏よりも出番は増えていたと思います。

ところがだんだん、「なんか、違うかも?」という気持ちになってきてしまったのです。

理由はわからないまま、違和感は拭い去れず。どちらも、新しい制服を見つけ次第、引退させようという気持ちが固まったのです。

私は混乱しました。どうしてこのセットは、しっくり来なくなってしまったんだろう? 好きだし、似合うし、コンセプトにも合っているのに……。
何年も着ているから、というだけではない気がしました。

しばらく悩んで、「もしかして?」と、原因らしきものに思い至りました。それを書き残しておきたくて、この記事を書いています。
ですが、ここでちょっと、関係ない話を始めます。

ハウステンボスの可愛いドレス

あなたはハウステンボスをご存知でしょうか。
長崎県にある、風車とチューリップがきれいなテーマパーク……そんな印象ではないでしょうか。私も先日実際に訪れるまで、漠然としたイメージしか持っていませんでした。

ハウステンボスは、確かに街並みが綺麗で、花の美しい場所でした。
そして、なんというか、「カオス」でした。

3階建てのメルヘンなメリーゴーランドがあり、最新鋭の3Dアトラクションがあり。アスレチックがあり、温泉があり、競馬場があり。アフタヌーンティーを楽しめる園内ホテルのレストランがあり、某有名なちゃんぽんのチェーン店がある……そんな色々なエンターテイメントが詰め込まれた空間でした。景観は統一されています、建物の中がバラエティに富んでいるのですね。

その中に、貸し衣装の写真館があります。

オランダの民族衣装や、プリンセスのようなドレスを纏って、園内を散策したり、建物内で写真撮影をしてもらえたりします。

私は長い付き合いの友人と二人でハウステンボスを訪れていて、貸し衣装のドレスで写真を撮ろうと、わくわくしながらお店に入りました。

色とりどりのドレスから一着を選ぶのは、とても楽しく、そして骨の折れることでした。裾を引き摺るほどたっぷりとした布を抱えて鏡の前で合わせては、「……違うなあ!」と笑って次を探す、それをしばらく二人で繰り返しました。

さて、その友人と私は二人とも、趣味で小説を書く者です。互いに書いたものを読んでもいます。
どちらが言ったのだったか、ドレスを選ぶ最中に、こんな会話がありました。

「そのドレスは君の作風には合うけど、には似合わないんだよ……!」

作風に似合うドレス、肉体に似合うドレス! これは私にとって新しい発見で、かなり興味深い視点でした。

私がドレスを決めた時のやり取りは、こんなでした:

私「私は作風がこうなりたいんよ……!(深緑のベルベット生地に金の刺繍が施された優雅なドレスを指す)」

友「なりたくても、君の作風はそうじゃない、君のはこっち(黄緑のシフォン生地にパステルカラーのお花が散りばめられた明るく可愛らしいドレス)」

私「ぐぬぬ……!」

悔しがりながらも合わせてみたその黄緑のドレスは、実際、私に似合ったのです。
深緑のドレスも合わせてみたんですが、似合わなくてですね……パーソナルカラー夏春、とにかく明度高くと言い聞かされた者なので、わかっていたことだったのですが。

結局私は、黄緑色の可愛らしいドレスで、写真を撮ってもらいました。とっても可愛くて、大変に満足です……!

ちなみに友人も、友人の作風みたいなドレスを着て、とても似合っていました。

まとめると、ハウステンボスの貸し衣装屋さんで気づいたのは、こういうことです。

〜ハウステンボスの貸し衣装屋さんでの気づき〜

  1. 「作風に似合う服」という概念があること。

  2. 作風に似合う服は、肉体に似合うこともあるし、似合わないこともあること。

私のコンセプト、その詩形

ここで、話を自問自答ファッションに戻します。

私は自問自答ファッションのコンセプトを作って運用しています。恥ずかしいので、インターネットのどこにも書いていません。
ただ、インターネットに書いてもいい情報として、私のコンセプトは「短歌」の形をしています。コンセプトが、57577で書き表されているのです。
(コンセプトを何度か直して、しっくりくる内容をやっと思いついたとき、勝手に57577になってくれました。たまにそういうことがあります。)

私のコンセプトは、古風な言葉選びで作られたかもしれません。少なくとも日常生活で使う言葉ではありません、私の短歌の言葉は。ファッションぽい言い方にすると「クラシカル」でしょうか。

そんなコンセプトの「文体」を念頭に、例の夏服を改めて観察します。

花柄のTシャツ、楊柳のスカート。
私のコンセプトの「内容」には、きちんと合っています。けれども、私のコンセプトの「文体」と比べると、カジュアルすぎるかも!

問題ないはずのお洋服に感じていた謎の違和感の、正体がわかりました。このセットは、私のコンセプトの「文体」に合わないのです。いかに服がコンセプトの内容にフィットしていようと、文体にそぐわないことは、私にとって無視できない違和感をもたらしてしまうのです。

コンセプトに「クラシカルな」とは書いていません。けれども、コンセプトの文章それ自体が、クラシカルであることを要求しています。あるいは、ある程度の上品さや、洗練、のようなものを。

文体みたいな服を探して

ハウステンボスでドレスを着たら、私が夏の制服に感じていた違和感の正体がわかりました。自分の書く文章、それが小説であれ短歌であれ、そこには私の作風や文体があります。それに似合う服、という概念もある。
私は自分の作風や文体が好きです。また、そういう雰囲気の服を着てみたいという好奇心をもっています。

そんなわけで今、新しい夏の制服を探すため、「コンセプトの内容と、文体」に合った服を探しているところです。
難しいですが、楽しいです。満足のいく制服を手に入れられますように……!

皆さんのコンセプトの文体はどんなでしょうか? また、自問自答ガールズさんたちの間で掘られて/交わされてきた、コンセプトの文体話があればぜひ聞きたいです。よろしければぜひ。

ごきげんオタクライフに使わせていただきます🌱