「好き」ってこういうことなんだ

 娘は絵を描くのが好きだ。朝起きて一人で絵を描いているし、ちょっとした時間を見つけてはAmazonで買ったA4サイズの厚紙と色鉛筆カゴをテーブルに持ってきて絵を描いている。

先週、初めてのお絵かき教室に参加した。参加日の1週間前ぐらいから娘には「お絵かき教室行ってみる?」とそれとなく気持ちを探る。
娘はもともと感情がそんなに外に出ないのでお絵描き教室への参加を楽しみにしているのか、そうでもないのかよく分からなかった。

しかし、半日ぐらい経ってから「お絵描き教室で描くものを描いてる」と言いながらイメージを作り始めた。それも一つだけではなく、何枚も何枚もイメージ画を描いている。

お絵描き教室当日は、予想通り緊張して自分から言葉を発することもなく、おとなしく終わった。しかし、先生がアクリル絵の具を混ぜる時に身を乗り出して見ていた。「楽しかった」「また行きたい」という感想も特に無かった。

しかし、お絵描き教室から帰って手を洗った後、またすぐに絵を描き始めた。

この姿を見て、『好きってこういうことなんだなぁ』と思った。絵を描いている時、楽しそうに描いてるとか、お絵かき教室に行きたがるとか、わかりやすいものではない。お絵描きが好きな人は『息を吐くように』絵を描くんだなぁと初めて知った。

自分に合った自己表現を子どもたちには見つけてほしいと思っていたけれど、本当は自分が欲しいんだと思った。好きなことや趣味を聞かれてもいつも困る。胸を張ってこれをしている時が一番楽しいと言えるものがほしい。と他の人に言わなくてもいいが、自分の中で苦なく続けられるものが欲しい。

今まで、没頭したものといえば竹馬と一輪車。マスターするまでが難しかったが、難しいものを一生懸命マスターしている最中が楽しかったのを覚えている。一輪車や竹馬に乗れるようになってしばらくすると飽きてやめてしまった。

私も息をはくように苦なくできる自己表現の手段を見つけたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?