
インフラストラクチャー(2025/1/14)
仕事の日の朝、ただ走るために走っているとき。二日ぶりに掃除機をかけているとき。いつもと同じ手順で、こがね色のトーストにツナを載せるとき。新しく買ったばかりの本を読んでいるとき。すべてが、人生において間違いなく正しいものたち。すべて、心の奥底に潜む薄暗い後ろめたさを消してくれるものたち。
こうして並べてみると、どれもインフラ成分が強い。自分が生き存えることに直結する行為の最中なら、ふらふらとどこにも根を張らず、不安定に浮かんでいる自分の存在意義に疑念を抱かずに済むから、気が楽だ。
何にも縛られずに自由に生きよう、と皆が言う。でもそれは僕にとってすごく難しい。だから明日も走る。その他愛もない行為の、眩しいまでの「正しさ」に身を委ねながら。