「好きなことで生きていく」の罠

好きなことで生きていく。

この言葉には罠があると思います。

生きていくためには、お金を稼ぐ必要があります。できれば社会に対して何らかの良い影響を与えることでお金を稼げれば言うことないですよね。

そのためには、社会のニーズを考える必要があります。つまり、生きていくためには、所属する社会の要請を考える必要があります。

一方、人の心は現代社会に溶け込めるように最適化されていないと思います。端的に言えば、人はある日突然に何かを強烈に好きになることは少ないということです。

社会のニーズとかけ合わせると、好きなことを他人が要請するレベルまで努力し続けられるか、あるいは自分が好きなことで、他人を楽しませられるレベルになれるかを常に問われると言うことです。

お笑いやYouTuber、画家など上位1%に入らなければ食べていけない職業では、上位1%へ入る努力を初めからし続けられる人はそう多くないと思います。

ここが罠だと思います。

ようは、”社会が職業として要請するレベルになれるか”という一点の基準のみが注目される傾向にあります。人の興味関心意欲には個人差があり、伸ばせるかどうかにも差があります。短期的に一気に熱中するタイプなのか、長期的にコツコツ努力し続けられるのか、人や対象によって個人差があるにも関わらずです。

そのため、”小さな興味”をないがしろにされがちです。スポーツなどで”にわかファン”という言葉がありますが、これは最初から全部には興味をもてないことを示しているように思います。

ここが一つの落とし穴であるように思います。

よく言われる、プロの画家〇〇さんは睡眠時間4時間で毎日死ぬほど絵を書いている、みたいな努力の仕方は、初めから誰もができることではないように思います。

プロの画家でも、絵が思うように書けなかった時代が必ずあるし、そこに試行錯誤することで自由に向き合えるようになってきたのだと思います。

趣味レベルでも続けることで少しずつ上手くなるし、少しずつ好きになっていきます。

小さな好奇心を大切にしたいですよね。

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