読書感想文 ハシエンダ マンチェスター・ムーヴメントの裏側
著者はピーター・フックさん、という80年代のイギリス、マンチェスターで活躍したニューオーダーってバンドの方です。
バンドの成功から、ハシエンダ、というクラブ(ライブハウス)の共同経営に参加して、倒産するまでの経緯がまとめられています。
どのエピソードも面白おかしく書かれており、これを読むとド素人がクラブ経営しちゃダメだよ、ってことがよく伝わってきます。
詳細は本を読んでいただくとして、僕が好きなエピソードについて。
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ハシエンダとニューオーダーは、当時、同じくイギリスで活躍していた
シャム69
というバンドを自分たちの隠れレコーディングスタジオがあるイビザに招致します。
目的はもちろんライブの敢行。
ピーター氏は彼らの大ファンであり、ライブを成功させるために
「最高にワイルドな夜にしよう!」
と、鼻息荒くお互い気合を入れ会場に向かいます。
到着して、バーで軽くお酒を飲みながら時間を潰すわけですが、シャム69の出番は明け方。なんとなく過ごして、ようやっと午後9時。まだまだ夜は長い…。
そのうち誰かが
暇な時間を有意義に過ごすべく、とても楽しくなるクスリをみんなで飲んで騒ごう!
と、メンバー共々にEというクスリを振る舞い始めます。
そこからみんながハイパー元気になってしまい、バーはカオス状態。
スタジオオーナー「ここから歩いて帰るよ」
ピーター「ここからスタジオまで、20キロはあるんだけど…」
オ「かまわない。歩いて帰る。どっちに歩きゃいい?」
スタジオとは逆方向を指差し
ピ「あっちだぜ、友よ!」
誰一人、まともな会話ができない状況で、シャム69の出番(午前3時)を迎えます。
もちろん、彼らもハイパー元気なのは例外ではなく、その時点でまともな会話が出来なくなっていました。立つこともままならない。
ピーター氏はそんなシャム69のことを置き去りにし、スタジオに帰ってしまいます。
そしてライブは想像通りの結果に…。
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ハシエンダやニューオーダーは、世界的にロック、クラブミュージックに貢献したことで知られていますが、この本を読むと、本当ロクでもない連中だったようです。
ただ、そんな彼らだからこそ、多くの若者が魅了されてしまったわけで…。
かくいう僕もその一人です。
万が一、サポートがありましたら、拙宅におります、犬とネコに食事を与える一助とします。