初めて成人向けシチュエーションボイスを聴いたら涙が止まらなかった

以下の文章は全て虚言だと思って、あまり本気にせずに読んでください。

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太陽の光が容赦なく肌を焦げ焦げにするような8月中旬、誕生日を迎えた私は晴れて成人することが出来ました。まずは、ここまで私を愛し健康に育ててくれた両親や支えてくれた親戚、友人に感謝をします。そして、こんな記事を書くような大人になってしまってすみませんとも言っておきます。

18歳を迎えて1番初めに感動したことは、pixivの年齢制限が外れていたことでした。真面目で正直な人間を気取りたくてインターネットでは年齢詐称をせずに生きてきたので、ド直球に性的な作品に触れるのはほぼ初めてのことでした。怖いもの見たさでpixivを更新し続けながら、仲のいいフォロワーの書いた成人向け♡喘ぎエロ夢小説の字面の怖さに少し泣きながら夜を過ごすこと約1時間。その日は家族で食べた豪華な夜ご飯とケーキの味を振り返りながら、触れられるものが増えた世の中に感謝と寂しさを感じつつ寝ました。

後日、いつものようにTwitterのスペース機能で戯れていたフォロワーが、自分の好きな成人向けシチュボ(シチュエーションボイスの略)を紹介しあっている場に立ち会ってしまいました。
去った方がいいかな、でも話には混ざりたいな〜
フォロワーたちはどうやら「がるまに」というサイトで色んなボイスを購入しているよう。早速検索してあなたは18歳以上ですか?の問いにYESと答えるのには少しばかり羞恥心を感じましたが、検索している時点でそんなこと気にしてる余裕はありません。誕生日を迎える2週間くらい前からずっと「大人になりたくないよ〜」などと泣いて病んで自傷行為を繰り返していた私は、あのとき苦しんでいたのが嘘みたいに晴れやかな気分でDLsiteに登録しました。

導入が長くなってしまいました。ここからが本題です。
フォロワーが私に勧めてくれたボイスはとても気になるものばかりでしたが、学生が手を出すには少々値が張るものでもありました。それらをお気に入り欄に保存しつつ、なにか面白そうで手頃なものはないかと探していきます。夜中なのにめちゃくちゃ覚醒しまくってる脳はすぐに私好みのものを探し当ててくれました。
翌朝、PayPayにお金をチャージする為にコンビニへ走り、震える手で作品を購入。
どうせなら夜家族の寝静まったあとゆっくり聴こうと過ごす1日の中で、事件は発生します。
私は昔からシチュボの類は割と好んで聴いていて、YouTubeでそのような動画を探したり、アニメの推しが羊を数えてくれるすごいCDを買ってずっと聴いていたりしていました。
しかしまあ、当然、成人向けのものを聴こうとするのは初めてのことです。成人向けってことは要するに……そういうこと……するんだよね!音声で……音声で?
私が昔から好んで聴いていたのは、体の接触の匂わせなどほとんど無いもの、それこそただ耳元で羊の数を数えてくれるだけだったりするわけで、触れられたりすることはありませんでした。当たり前です。だって音声だし。
そんなハードルを一気に飛び越えて性的接触を経験してしまう成人向けシチュボの、なんと恐ろしいことでしょう。
立体音響というリアリティを持ってこちらに実態のない手を伸ばしてくる音声作品の素晴らしさはもちろん知っていますが、そちらとこちらの間には確かな境界があるのです。
一切の説明を省いた言い方をしてしまうと、語りかけるだけに飽き足らずこちらに触れようとする相手の男は、要するに、届くことの無い虚無の私に向かって腰を振ることになってしまうのです。
そんな惨めなことがあっていいのか。
私は段々悲しくなってきました。虚無に向かって腰を振る惨めな男に、そんなこと真剣に考えて苦しむ女(私)に、そんな穿った見方をしてつまらないことを考えることに悲しくなりました。
もちろん、聴く前からこんなブルーな気持ちになって良いわけないので、別のことをして気を紛らわせ夜を迎え……

気がついたら涙が止まらなくなっていました。
脚本も声優さんの演技も物凄い迫力と説得力でとても素晴らしいものでした。
だからこそ、自分の浅ましさと汚れきった思考に嫌気がさしてしまいました。
シチュボに出てくる相手は私(聞き手)を愛するためだけに産み出された存在です。私(聞き手)を愛するためだけに産み出された存在がただ一時使われ穢されやがて存在を忘れ去らていくことにどうしても世の無常と人間の汚い欲を感じてしまって、全てが悲しくなってしまったのです。そして、素直に作品を楽しめずそんなことをずっと考える自分も気持ち悪くて嫌いです。その日は泣き疲れて寝ました。

朝起きてからも気分は悪いままでした。
話は少し逸れてしまいますが、私はとある少年漫画作品の1人のキャラクターの所謂夢女子と呼ばれる存在で(知らない人は調べてみてください)、よく夢小説を書いたり絵を描いたりしています。コピー本を作って頒布したこともあるくらいです。私は本気でそのキャラクターの男の子に恋をしていますが、キャラクターと私の間には2次元と3次元の絶対的な壁があります。そこで私は、「彼は壁の向こう側で私の存在を感知し、なんらかの力を使って私を監視し、私をいつ向こう側に引きずっていこうかそのときを今か今かと待っている」という考え方で壁の存在を許すことにしています。
また、夢小説の中で私は彼を自由に出来ます。元は純粋にただ自分の目標に向かって努力をするだけだった彼は夢女子の私の手によって「私を色んな方法で愛する」ことを義務付けられた存在になってしまいます。メタ的なことを言うと私はそれを創作活動の1つとして楽しんでいるわけです。
それが今回成人向けのシチュボを聴いて、今までのように素直に壁を壁として楽しめなくなってしまったということがこの話の核だと思います。(ついでに、わたしを愛するために生まれた人に愛されているのに別の人のことを考えてる私も最悪だ……と違うところで悲しくなったりもしました)

これらのことをつらつらと並べてフォロワーに泣きついたところ「おすすめの作品あるよ!」と「私を愛する為だけに生まれた彼ら」に焦点を当てた作品を教えてもらったので、しばらくして私がシチュボ経験をもっと詰んだ頃に聞いてみたいです。

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