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sumikaのはなし

私のsumikaへの思い、隼ちゃんへの思い、ハマスタのライブで感じたことなど。
なんだか突然衝動に駆られて書き始めました。
思いのままに書いていたら、ついつい長くなってしまいましたが、よければ。



昨年は、本当に色んなことがあった。
正直、一際メンバー愛が強くて、4人じゃないと意味がないとまで言うバンドだからこそ、sumikaがこれからも続くのかどうかすら分からなかった。

私にとって、sumikaは幸せの象徴のような存在。楽曲からもライブからも、幸福感が溢れ出している。演奏を聴いて、観て、あぁ私いま幸せって心の底から思う。私は他にも好きなアーティストがいて、sumikaに対するモチベーションが低めな時もある。でも、やっぱりライブに行ったら、何の疑いもなく、いま自分は世界で1番幸せな人間だって確信してしまう。sumikaというバンドは、そんな力を持っている。

でも、予想もしなかった、絶対に起こって欲しくなかった、メンバーの死という残酷な現実。
いつもニコニコ笑顔で、自分最高に楽しいです!!って常に全身で表現しているような、元気で可愛らしい人。短めのストラップで難しいソロも弾きこなす、かっこいいギタリスト。
もう二度と会えないとか、なんだかもうよく分からなかった。
人間は必ずいつか死ぬなんて、そんなことは分かってるけど、sumikaはなんだか「死」とは縁のない存在のように勝手に思っていた。だから余計に、なんでsumikaにこんなことが起こらなきゃいけなかったのって思った。悲しい、悔しい、なんでどうして、そんな感情が渦巻いて、どうしようもなかった。ファンである私には何も出来なかった。


2023年5月14日。横浜スタジアムにて10周年の記念ライブ。この日は晴れバンドのsumikaにしては珍しく、ずっと雨が降っていた。
あれから3ヶ月弱立って、その間にsumikaは3人で活動を再開していたが、私にとっては初めての3人のsumikaだった。…初めて、隼ちゃんがもういないことを実感する日。受け入れる最初の一歩。
4分割のモニターに映る動かないギターを見た瞬間、自分の中の何かが決壊して、息もできないくらいに泣いた。

ライブは本当に素晴らしかった。そして、やっぱり幸せだった。素晴らしくて、幸せで、悔しかった。隼ちゃんにもこの景色を見せたかった、見て欲しかった、この空間を一緒に分かち合いたかった。
「sumikaをバッドエンドにはしたくない」
「ハッピーエンドを目指してもいいんだ」
「未来が楽しみで泣いている」
3人の言葉にどれだけ救われたか。あれからsumikaの音楽を聴く度に負の感情が着いてくるようになってしまって、それが私にとってすごく辛かったけれど、その気持ちにどこか落とし所を見つけられたような気がした。

ラストで3分割になったモニターには、もう動かないギターすら映っておらず、これから3人でsumikaを守っていくという決意が見えた。私はこの1回のライブで隼ちゃんがいないことを実感しきれた訳じゃないけど、これからのsumikaを応援して一緒に幸せになろうって決心した日だった。

一生忘れない。
お祭りのような絶叫セレナーデも、びしょびしょのタオルを振り回したマイリッチサマーブルースも、雨でセンターステージが使えなくて急遽やってくれたここから見える景色も。強くなった雨の中で天高く響いた明日晴れるさも、33000人みんなで空に贈った「伝言歌」も、色んな感情背負って進んでいく決意のStarting Overも、その時の10周年を祝福して後押しするような花火も。最後に隼ちゃんを送り出した、雨天決行 第二楽章も。全部大切な記憶。


sumikaって、とても強いバンドだと思う。でもそれは、何もせず元から強かったわけじゃない。彼らが歩んできた人生があって、sumikaというバンドの歴史があって、色んな人と出会って、たくさんの経験と挫折を伴って身につけた強さだろう。隼ちゃんのことも、表には出さないだけで完全に乗り越えられたわけじゃないだろう、多分。他人のことを完璧に理解するなんて不可能だから、本当のところは分からないけれど。
それでも彼らは楽曲を作り、ライブで私たちの前で演奏する。やっぱり無条件に味方でいてくれて、愛してくれる。パワーをくれる。
sumikaの音楽を続けたいと思ってくれて、本当に良かった。

2023年11月、片岡さんが歌えなくなった時には、おがりんとバロンがsumika [roof session]として2人でフェスのステージに立った。片岡さんの活動休止は2度目で、1回目の時は隼ちゃんも合わせて3人でroof sessionをやった。こうやってメンバーの不調をカバーして、sumikaの音楽を届け続けてくれたのは、これまで4人で歩んできたsumikaの信頼と覚悟の表れでもあるだろう。4人で、雨が降っても槍が降ってもやめないって決意したsumikaだからこそ、音楽を続け、私たちに幸せを分け与え続けてくれている。そして、ファンである私たちも、sumikaに幸せだよって返す。できる限りの愛を伝える。少なくともライブ中だけは、私たちにもsumikaのことを幸せにできているって、烏滸がましくも信じている。それくらいしか、ファンにはできない。


最後に、私はまだ一度も、隼ちゃんに「ご冥福を〜」って言葉を言えてない。まだ言えなさそうだ、私にはまだこの言葉を言う勇気がない。
でもいつか言える時がきたら、ちゃんと言いたい。向こうでもずっと幸せでいてほしいから。
形式ばった言葉だけど、これを言える時が初めての「理解」になる気がする。こんなふうに自分の気持ちを文章にできるのだって、私にとっては進歩だ。

だから、sumikaの決意と覚悟を知りながらも、私はまだ勝手に4分割モニターに隼ちゃんを映したままだ。素直にsumikaの音楽を心から楽しめているけど、やっぱり無性に悲しくて悔しくなる時がある。

でも。

「sumikaは人じゃなく、そこに宿る意志」

3分割モニターになったとしても、隼ちゃんの存在がsumikaから消えるわけでは決してない。
今まで隼ちゃんが乗せてきた意志と一緒にこれからも続いていくsumikaを、ずっと応援していくし、愛していく!

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