見出し画像

NEE_2024/6/23『東京、夏のサイレン』東京・日比谷野外大音楽堂


はじめに

報道にもあった通り、NEE のくぅさん(村上蔵馬さん)が2024/5/12に永眠されました。NEEは決まっていたライブやフェスをキャンセルされていますが、その中のひとつである『東京、夏のサイレン』が急遽実施されました。歴は浅いですが、ファンとして配信で拝見させていただきました。
ファンクラブにも入っていないし、あまりライブにも行けていないし、自分なんかが文章を書いて発信して良いものか。生粋のファンの方の気分を害してしまったらどうしよう…。などいろいろと悩みましたが、今日のライブのことを忘れたくないから、書きます。もし、文章に不快な点があったら申し訳ございません。

ですます調だと正直に書けない気がして、ここから急に、である調です。(真面目)

NEEとの出会い

NEEとの出会いは、かなり最近。
2023/8/26の、SWEET LOVE SHOWER 2023(ラブシャ)にて。

学生時代から一緒に音楽を聴き続けている親友と行ったのだが、ラインナップが本当に見たい人ばっかりで、個人的にはKroiとUNISON SQUARE GARDENが大本命。ポルノ、佐藤千亜妃、アルカラ、OAUも観たいよね、クリピナも見たいけど時間被るね。そういえば森大翔くんっていう超絶ギター上手い青年知ってる?とわちゃわちゃ話していた時に、親友が「NEEって知ってる?気になってるんだよね!」と教えてくれた。
正直なところ、音源を聴いた限りではRADやボカロがルーツなのかな?そこ通っていない自分はあまり刺さらないかもしれないな、でもエキゾチックバンドって何?気になるな~くらいの温度感だった。(※あくまでもその当時。今は大好きです。)ちょうど出番がユニゾンの前だし、という導線の都合もありライブを初めて見ることとなった。

しかし!ライブを見て一気に引き込まれてしまった。まずファンとの信頼関係が厚い。ファン若くてめっちゃ飛ぶじゃん。でもバンド側が無理に煽っているのではなく自然な流れ。そして何より演奏が上手い。メンバーが全員楽器大好きなんだろうな、と感じた。

そこから一気に音源を漁り、毎日狂ったように聴いて、通勤時間はNEEがいないと乗り切れないレベルまでどっぷりハマった。何とかワンマンに行きたいがチケット軒並みSOLDOUT(そりゃそうか、だってかっこいいもん。)
なんとか定価でお譲りチケットを探して滑り込んだ初のワンマンは、2023/10/29 "NEE 6th TOUR「EXOTIC METTYA YANKEE」" 豊洲公演。フェスとはまた違う熱量、ライブの構成や演出、メンバーのMC。ギター大好物がゆえどうしても夕日さんの運指が見たくて、アラサー頑張って前方行きました。皆で飛んだのもぎゅうぎゅうしたのも楽しかったし全く嫌な思いはしなかった。ファンの皆さん優しい。グッズも買ったし今後私はNEEを追いかけよう!と決意した。

そう決意したは良いものの、社会人をしている以上仕事からは逃れられず、結局次のライブは今年3月の”NEE 7th TOUR「Zone End Pressing Peanuts」"東京公演。くぅさんのお誕生日ライブ。これが最後になるなんて思わなかったよ。もっと小箱でもアリーナでも見たかった。もっとライブ行っておけばよかった。

ここまでが私とNEEの出会い。ここからが夏のサイレンを見て思ったこと考えたことです。

ライブの構成と率直な感想

くぅさんの直近のライブ音源を流しつつ3人で演奏→PEOPLE1をゲストに迎える→3人で交互にボーカルを担当→くぅさん音源で演奏
といった構成で進められたライブ。

夕日さん、かほさん、大樹さんがステージに登場して、中央にはくぅさんのゴーグルとスタンドマイクとギター。もうこの構図で「あぁ…くぅさんはもういないんだ」と悲しくなりつつも、この夏のサイレンを決行するという決断をしてくれたメンバーに感謝し、配信を行って各所調整してくださったスタッフさんに感謝し、とにかく泣いてる場合じゃない!見なきゃ!と自分を奮い立たせた。

しかし、そう簡単に切り替えられるものではなく、最初から最後まで泣きじゃくって、最後の「不革命前夜」では嗚咽してしまった。正直今もぐったりしていて頭もぼーっとしており、詳細を記憶出来ていない。
ただ、ライブは素晴らしかった。くぅさんがいないから物足りないとかは全くない。改めてNEEというバンドの演奏力の高さを実感した。すごい。すごすぎる。

死を美談にしない

夕日さんがMCで仰ってた「『ボーカルが若くして亡くなっちゃったんだね。追悼ライブに沢山の人が集まったんだね。天才でかっこよかったんだね。』 と、美談にしたくない。だって生きててもかっこいい人は沢山いるんだから。」という言葉。

何度か夕日さんのインスタライブを拝見したりご本人のインタビューを読んだりした中での印象だが、夕日さんって人間の持つ”魂”のような理屈では語れないエネルギーを内に秘めつつも、非常に論理的な人だなという印象で、それが顕著に現れていたMCだと思った。
私自身も訃報を聞いたときは一人では受け止めきれず、家族や友人に「好きなバンドのボーカルが亡くなっちゃったんだ」と話を聞いてもらったりもしたが、この行為自体に疑問を感じていた。あれ?これって「推しのボーカルが死んじゃったのね。かわいそうまだ若いのにね。」って言ってもらいたいだけ?違うよなそうじゃないよな。

だからこそ、この夕日さんのMCを聞いてかなり心がスッとした。そう、私も美談にしたくないと思っていた。だってくぅさんが作った曲は音源として残っている限りいつでも再生装置で聴くことができるし、NEEが活動を続ける限りNEEは死なないから。

くぅを「守る」

3人が今日頻繁にこのフレーズを使っていた。亡くなった人を「守る」ってどういうことなんだろう。ファンとしてはどうすればいいんだろう。今日のライブを見て、少しだけ分かった気がする。
先ほどの「美談にしない」話から繋がるが、くぅさんがこの世からいなくなってしまっても革命は起こらなかったし(これも夕日さんMCでお話ししてましたね)、時間は進むし、日常は止められない。この日常がこれまた厄介で、人間社会で生きている以上、利害関係や組織の影響を受けざるを得ず、自由に何でも出来るわけではない。悲しいことや苦しいことは避けては通れない。そんな日常の中で、くぅさんが確実に「生きた証」をなるべくフラットに、事実だけただ後世に残していくことが、くぅさんを「守る」っていうことなのかなと考えた。だから私は、拙い文章ながらとにかく書かなきゃ残さなきゃと思って今でもちょっと思い出し泣きながらnoteを書くに至った。まず具体的に行動できることはこれかなと思ったのだ。

今後のこと

ライブの中で夕日さんが「告知とかは特にしていないけどNEEは3人で続けます」と明示してくれた。「作詞作曲というコアな部分を担ってるメンバーがいなくなってしまって、俺らもう何も期待されてないんです。(※ニュアンス)」とも仰ってたけど、いちファンから訂正させて欲しい。全然そんなこと無いですから!
確かにくぅさんの作詞作曲は素晴らしかったし(って素人が言うのもおこがましいが…)ライブパフォーマンスも熱かったけれど、夕日さんかほさん大樹さんの演奏と歌を聴いて、今後の3人のNEEが楽しみだなと思った。かほさんの魂のボーカルは(確かルーツとして通っている)銀杏BOYZを感じましたし、夕日さんはいつもの超絶技巧をこなしながら歌っているの圧巻でしたし、大樹さんの声は少しくぅさんに似ていたような。大樹さんはいつもどっしり構えていてすごい。今日もちょっと笑えるようなトーク交えてくださったのも良かったです。

そして、『一揆』入る前のセッションもこれまた最高で!歌詞以上に楽器の音を重視して見がち人間なので、今後インスト曲とかもあったら良いな…なんて思ったり。

▼これとか最高ですからね。何度も何度も見ています。


おわりに

まず、今日はすごい日になった。NEEの『夏のサイレン』を見ることが出来て本当に良かった。NEEに出会えて良かった。これからも応援し続ける。メンバーやスタッフさん、どうかお身体にお気を付けて無理されないで欲しいです。
「おもちゃ帝国」を聴きながら、今日のために買ったお寿司をこの後いただきます。くぅさん、これからもあなたの作った音楽とバンドを愛し続けるよ!ありがとう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?