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圧倒的完成度~映画「恋は雨上がりのように」

今日は朝から図書館で勉強した後、
映画「恋は雨上がりのように」を1人で見に行った。

男が1人で見に行くことはあまり想定されていないのかも知れない、と思いなんだか気恥ずかしい気持ちもあったのだが

原作が好きで、広告で監督とキャストを知って、
つい映画館に足を運んでしまった。

映画は二週間に一回くらいは映画館に見に行くくらいには、好きだ。今回は良い映画を観たので感想を書いてみようと思う。

映画「恋は雨上がりのように」をこれから観る方はこの記事を読んでから観るとさらに楽しめる(ことを願っている)し、もう観たという方は共感していただけると思う。

ネタバレはしないように配慮して書いているので安心して読んでいただきたい。

まずは全体について言及すると

素敵な映画だった。その一言に尽きる。

この映画からは監督さんがそうなのか制作の方々なのかは分からないが

恋は雨上がりのように」という世界観が好きで、それをとても大切にしているのが随所から伝わってきた。

キャスティング、ストーリー展開、音楽、カメラワーク、光のバランス、どれも良かったが、

まず、キャスティングの素晴らしさについてだが、
原作を読んだことのある人なら分かるだろう、
所謂“実写映画化”作品で

こんなに完璧なキャスティングは久しぶりに見た。

特筆すべきは、やはりメインの2人。

大泉洋さんは店長役として、「おじさんな感じ」や「コメディ要素」なにより、「優しい雰囲気」を醸し出していた。大泉洋さんはどんな役でも、なんだか温かい感じが滲み出るような気がしているのだが、今回の店長という役は正にそれが必要だったと思う。

そして、あきらの役だが、
あきらを演じることに関して小松菜奈さんの右に出るものはいない。
そう思えるくらい“あきらだった”。
顔や髪、長い手足としなやかさ、クールビューティな雰囲気、どれをとっても正に、ぴったりだ。
演技もあきらとして自然だった。

原作者は映画化までをすべて見通した上で書いたのではないかと思うくらいだ。

あと、当たり前のことを言うと
尊いほど美しい。

ストーリーも
滑らかで無駄がなく、すっと入ってきた。

この作品と同じく“雨上がり”を題材とした
新海誠監督作品の「言の葉の庭」(2013)に通ずるものがある。「言の葉の庭」はというか、新海誠監督作品は光が美しく、日本の古典を大切にしていて、話に無駄がない。
すべてを語り尽くさない美学がそこにあると思う。

2作品ともいまの梅雨の時期にぴったりだ。
僕は「言の葉の庭」のおかげで雨が好きになった。
「恋は雨上がりのように」もそうなりそうだ。

音楽については、俗にゲキバンと呼ばれる劇中の音楽も違和感なく、オープニングとエンディングの曲も軽快であっていた。

カメラワークについてだか、冒頭のファミレスのシーンとあきらが走るシーンが特に良かった。

前者は恐らくワンカットで小松菜奈さんに併走して取ったことで、店内全体がほどよく映り、ファミレスのスタッフの人たちも自然に登場した。カメラワークで状況説明が為されていた。

この映画であきらが走るシーンはどれも疾走感で溢れている。併走して撮っているのだろう。臨場感がある。小松菜奈さんの手足が長く、フォームが綺麗なのもこれに繋がっているのだろう。特訓したんだろうなぁ。

最後に光の感じについてだが、雨上がりの街が煌めく感じが、とても気持ちいい。光がこぼれるというか、何というか。淡い光が美しい。
そして、登場人物たちをより引き立てる。

ざっとこんな感じだろうか。
僕の意見について賛否は当然あると思うが、
この映画のなんともいえぬ心地良い感じは観れば分かって貰えると思う。

今日はとても良い体験をした。映画代よりも明らかに価値が高かったと感じた。
僕ももう一回観ようかなと思っている。

映画「恋は雨上がりのように」公式HPより

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