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ウチの子紹介 KP3S改

ちゃたろう

現在のウチで使用している3DプリンターのKP3S改を紹介します。
主に行っている改造とそのパーツの入手先を記入しています。
0.1mmのノズルでプリントしようぜ!と内容が重複する部分が多々ありますが、ご了承ください。

2022年8月7日
パーツ等のおすすめ度を追記しました。

Z軸

POM素材のアンチバックラッシュナット★★★★★(必須アイテム)

コスパ抜群
これを付けるだけでZ軸のバックラッシュがほぼ無くなります。
Zホップを使用してもレイヤー厚0.05mmも実用可能になるかもしれません。
素材は真鍮では無く、黒い樹脂のPOMを使った商品が良いです。
自己潤滑性に優れていて、真鍮製のものよりも工作精度が高い気がします。
POM製を使用する場合グリスは使用しないでください。

リードスクリュー固定ブラケット★★★☆☆

似た商品がいくつかありますが、リードスクリューの位置を微調整できるようなタイプが良いです。
機体として元々のZ軸のリードスクリューをまっすぐに調整できない場合は使用しない方が良いです。
アンチバックラッシュナットを使用した状態でZ軸がまっすぐな場合はwobbleがほとんど発生しないので、その場合はもしかしたら必要無いかなとも少し感じてはいます。

Z軸用PC素材のホイール★★☆☆☆

Z軸のガタとホイールの摩耗が軽減されます。
個人的な感想ですが体感ではプリント品質には結構効果があったように感じます。
元から付いているホイールよりも少し硬いので偏心ナットの調節もしやすくなる気がします。

ベッドの固定★☆☆☆☆

ホームセンターでM3のナイロンロックナットを12個買ってきてベッドのバネを外して完全に位置を固定して少しでもブレを無くしています。
3Dプリンターの操作に不慣れな場合、ノズルとベッドの接触でハードへの深刻なダメージを負う場合が有りますのでお勧めはしません。

E

エクストルーダー

BMGエクストルーダークローン★★★★☆
エクストルーダーはモーターが軽い、フィラメントパスが短いなどありますが、最低デュアルドライブギアのタイプが良いと思います。
個人的な感想ですが、Titanエクストルーダーからの交換でプリント品質の改善はかなり感じました。
フローの繊細な操作が可能になります。
外装はTrianglelabのシェル(フィラメントの通り道が潤滑性のある素材を使っている)を使用して、ドライブギアはMellowの摩耗しにくい硬いタイプ(セールで安くなっていたため)です。
ベアリングやその他のパーツは名も知らないショップのクローンのを流用しています。
ずっとメーカーもわからないBMGクローンを使っていましたが、TrianglelabやMellowのパーツに交換してプリント品質が上がったかは正直実感できませんでした。BMG自体がクローンでも優秀なためだと思っています。
ただ、ドライブギアの歯がしっかりしていると、軽い挟み込みの力で保持できるのでフィラメントへのダメージは少なくなると思われます。

デフォルトで設置されているTitanエクストルーダーからBMGに置き換えるときはモーターの回転方向が逆転するので配線の入れ替え、もしくはファームでの設定変更が必要になります。厳密にはギア比が1:3ではないので押し出し量も少し調節する必要があります。そして純正のブラケットやファンシュラウドは使用出来なくなるので注意してください。
ただ、それらのデメリットを考慮してでもデュアルドライブのエクストルーダーへの交換は価値が有るものだと思います。

ホットエンド周り

私はノズル交換の頻度がかなり高いので、現在はTrianglelabの
Dragon Hotendスタンダードフロー★★☆☆☆(価格が許容できれば★★★★☆)を使用しています。ヒートブロックが回転してしまわないように固定されているので、非常にノズルの交換がしやすいです。
銅のヒートブロックでノズルの温度がとても安定するのでプリント品質改善には大きな効果が有ると思いますし、アルミのブロックに比べて硬いのでノズルをしっかり締める事ができるので、フィラメントが漏れるのを心配しなくても良くなるのが最高です。
Dragon Hotendの前はMellowのV6ホットエンドセット(バイメタルヒートブレイク、銅ヒートブロック、銅ノズル)★★★★☆を使っていました。とても良くて気に入っていたのですが、ノズル交換を頻繁に行っていたらヒートブレイクの圧入がぐらぐらになってしまったので泣く泣くDragonに交換をしました。
ノズル交換をあまり行わないならDragonの半額以下で買えるのと、ヒートシンクの冷却が優秀なので、とてもオススメです。

ヒートブレイクの違いでプリント品質が左右されるかは体感としてあまり実感できていません。高温でプリントするフィラメントを使用出来るようになるので、オールメタルのヒートブレイクには交換した方が良いとは思います。予算に余裕が有るならできるだけバイメタルので。詰まりにくくなり、プリント品質も少し上がると思います。

デフォルトはV5にかなり似たホットエンドを使用しているようですが、ヒートブロックが小さい為に熱容量が小さく、ヒーターとサーミスタの位置関係もあまり良く無いのでヒートブロックだけでもV6のタイプに交換する方が良いのではないかと思います。(サーミスタの形状に注意)

パーツ冷却ファン

SUNONのMellow別注?ファン★★★☆☆に交換しています。
結構高価ですが、めちゃくちゃ良いファンです。
出力を100%にするとちょっとうるさいですが、風量がとてつもないです。
ブリッジの造形などは最高の結果をもたらします。
出力を80%にするとかなり静かですがPLAを比較的高速でプリントしても十分な冷却能力があります。
SUNONのファンは他店では偽物の販売が多いようなので注意をしてください。


ノズル

私は1mm等の大口径以外は基本的にTrianglelab★★★★★もしくはMellow★★★★★のノズルしか使用しません。
どちらもドイツや日本製の工作機械で作成しているとのことで品質がかなり良く、品質に対してのコスパがかなり高いです。
0.1mmに関しては真鍮製しかないのですが、その他の径のノズルは銅製のノズルを使用することが多いです。
銅は熱伝導率が高く、熱容量も大きいためフィラメントへの熱の伝わり方が良好です。比較的硬いため真鍮製よりも摩耗もしにくく長く使用できます。

ホットエンドヒーター

デフォルトは50Wですが、Trianglelabの40W★★★☆☆に交換しています。
繊細に温度調節ができるようになりますが、ヒートブロックを交換しなければ熱容量の関係で50Wのままで交換しない方が良いかもしれません。
ヒーター交換後は必ずPIDチューンを行いましょう。

ヘッド周り

他の方のモデルをリミックスして作ったヘッドのパーツを使用しています。
メンテナンス性や拡張性を重視しています。
4010ファンと3D Touchが使用出来るようにしているのと、ホットエンドの長さやノズルの長さの違いに合わせてパーツ冷却ファンの位置を調節したり、パーツ冷却ファンを取り外してレーザーやシールカッターがマウントできるように設計しています。
Prusa i3 MK3S+のファンシュラウドを流用できるようにしていますので、冷却効率は結構良いです。さすがPrusa
3D Touchはタッチプローブで高速にプローブができるようにTrianglelabのV.3★★★★☆(純正ファームでは使用不可)を使用しています。
拙いモデルですが需要があるようなら最新バージョンをアップロードしますので必要あればコメントやTwitterにてお願いします。

更新
興味が有るとのお声をいただきましたので使用しているヘッドプリントパーツをアップロードしました。
2022年12月6日モデルをアップデートしました。

ベッドサーフィス

バネ鋼板のPEIテクスチャシート★★★★☆を主に使用しています。
定着が良いです。
メンテナンスがかなり楽で、金属のヘラでがりがりやっても割と大丈夫ですし、定着が悪くなったなと思ったらパーツクリーナで洗浄すれば復活です。
貼り付きが良すぎるようなTPUやPCも比較的剥がしやすいです。
消耗品ではありますが、丁寧に使用すればとても長持ちします。

ベッド定着面がでこぼこしたくない場合や、0.1mmノズルを使用する場合はバネ鋼板にPEIシートが貼り付けてあるタイプ★★★☆☆を使用してます。

PA-CFや品質が悪くて全然ベッドに定着しないタイプのフィラメントにはウルトラベースタイプのガラスベッド★★★☆☆を使用しています。
それでもダメならケープやシワなしPiTを使用します。
活躍の機会はそれほど多くはないです。

XY軸

ベルトとプーリー

精度が良く偏心のほとんど無いプーリーとベルトは個人的にプリント品質には結構重要な要素だと感じています。
プーリーはTrianglelabの黒いの★★★☆☆を使用しています。
ベルトはGATES★★★★★のを選ぶと間違いないと思います。

リニアガイドガチャ

初期のリニアガイドのX軸は問題無かったのですが、Y軸の方は使用していると少しずつガタが出てくるようになりました。
安いパーツを使用しているので品質にバラツキが有るようです。
リニアガイド自体が公式で手頃な値段だったので保守部品の意味合いもかねて3本追加で購入して、一番良さそうなのをY軸のと交換をしています。
初期状態では錆防止の機械油しか塗布していないようなので、一度分解をしてパーツクリーナーで洗浄をしてからグリスを注入して使用しています。

0.9°モーター

XYのモーターをTrianglelabの0.9°のタイプ★★★☆☆に変更しています。
105mm/sより速い速度で動かすと異音がする(spreadCycle設定時でも)ので高速プリントを目指す場合はお勧めできませんが、105mm/s内であればデフォルトのモータードライバの電流設定で使用をしても滅多に脱調は起こしません。

電源

Meanwellの LRS-200-24を使ってます。
ファンが無いモデルなのでとても静かです。
200Wしかないですが、ここからラズパイの電源を取っても問題無くKP3Sは動いています。

https://a.aliexpress.com/_msH1j34

本体以外

スマートプラグ

TP-Link HS105★★★★★を使用して遠隔操作で電源を管理しています。
Google Homeと連携できるので、音声操作でKP3Sの電源をオンオフすることができます。
後述のラズパイが立ち上がって操作できるようになるまで結構時間がかかるで、KP3Sとラズパイを一緒にたこ足配線をしていて事前に電源を入れるのにとても重宝します。

Octoprint(Marlin時★★★★★ Klipper時★☆☆☆☆)

KP3Sは居間とは別の部屋に置いてあるので遠隔で操作するのとKlipperを使用するためにラズベリーパイを使用したOctoprintを導入しています。
プラグインで自分好みの機能を追加できます。
使用しているプラグインはまた別のnoteに記入予定ですが、プリント終了後に先ほどのスマートプラグを介して自動で電源を切るような設定も可能ですし、外出先からラズパイに接続したカメラから様子を見たり、失敗していればプリントを中止するような事もできます。

Octoprintを導入して一番良かったなと思ったのは、前回プリント終了後にベッドをプリントできる状態にしておけば、遠隔操作で電源ON→PCでスライス後データを遠隔で送ってプリント開始→別の部屋からカメラでファーストレイヤーの定着を確認→プリント終了のプッシュ通知がOctoprintからスマホに送られる→ホットエンドが冷却される時間を待ってOctoprintがスマートプラグで電源を自動で切るという流れで使用できるようになったことです。
プリント品を収穫するまで一歩もKP3Sが有る部屋に入る必要が無くなります。
ただし、ラズパイの電源もシャットダウンではなくぶつ切りでメモリーカードが壊れるかもしれませんので、バックアップ等の注意はしておきましょう。(ウチでは1年半位ラズパイがぶつ切りされていますが今のところ問題は出ていません)

2022年6/24追記
現在はMainsailに移行したのでOctoprintは使用していません。
Mainsailの方が立ち上がりが早く、プリント開始できるようになるまでの待ち時間が短いです。
UI自体もとても軽くて、マクロも使いやすいです。
プラグインは無いですが、追加でObicoをインストールすることで必要時に通知を出すことも簡単にできますし、Tailscaleをインストールすることで家と同じ感覚で遠隔操作を行うこともできます。
前述のTP-Link HS105についてもデフォルトで対応しているので自動で電源を切ることもできます。

Klipper ★★★★★

ファームはラズパイを介するKlipperを導入しています。
KP3Sは未改造の状態でもZ軸の調整に気を付ければプリント品質は良いですが、採用しているモータードライバーTMC2225のバグの為、Marlin系のファームではモータードライバーを交換するか、UART接続で動作させるために半田付けで改造を行った上でspreadCycleで動くように設定をしないとリニアアドバンスを使用することができません。
リニアアドバンスが使えないと、角がプクッと膨らんだような造形になってしまうので使用出来る機種と比較すると超えることのできないプリント品質の壁のようなものが存在します。
KlipperはTMC2225でもそのバグの問題を解決できているのでほぼ同じ機能のプレッシャーアドバンスが使用できるようになっています。
その他、振動をノイズキャンセリングの様な機能で軽減したり、ファームの設定変更が楽であったりとかなりの恩恵があります。

振動対策

ダイソーにある厚めのMDFボードに100均で良くある地震対策ゲルマットを沢山サンドイッチしてその上にKP3Sを置いています。
免震構造っぽくなって振動が響くのがかなり軽減されます。
4つの足に4箇所だけゲルマットを置くのではなく、できるだけ沢山ゲルマットを配置して振動を分散させるのがポイントです。



スライサー

PrusaSlicer ★★★★☆

基本的にはPrusa i3 MK3 S+の設定をほぼそのまま流用して使用しています。
Klipper仕様で加速度や速度を大きく上げているプロファイルも使っていたりはしますが、基本的に綺麗に仕上げたい場合は加速度も込みでMK3 S+のデフォルトのプロファイルでプリントするのがとても綺麗に仕上がるので好きです。
サポートを付ける位置をとても細かく設定できますし、シームの位置もほぼ完全にコントロールできるのもとても良いと思います。
手をあまりかけなくても綺麗にプリントできるイメージがあります。

ideamaker ★★★☆☆

いつも改造やレビューを楽しみにしている3DPrintBeginnerさんがオススメしていたので使用しています。
あまり使い込んではいませんが、他のスライサーにはないようなモデルにテクスチャを付ける機能や、適応充填という機能で自動的に必要な場所にインフィルを追加してくれる機能がとても良いです。
プリント品質もかなり良好だと思います。
3DPrintBeginnerさんはKP3SのPLA用のプロファイルも公開してくださっています。
2022年6/24追記
プロファイルの公開をやめておられるようなのでリンクを削除しました。

CURA

以前は使用していましたが、ノズル経路のアルゴリズムがあまり好みではないのと、設定が多すぎて収拾が付かなくなるので最近は使用していません。
一度線幅や加速度などできるだけPrusaSlicerのMK3Sの数値をそのままCURAに入力して使用しみましたが、PrusaSlicerと比較して明らかにCURAのプリント品質が悪かったので使用を断念しています。

終わりに

3Dプリンターを2年ほど改造しながら使ってきましたが、自分の求める一定の水準には達することができたのではないかなと思っています。
もしこれから改造をはじめるような方の参考になれば、とても嬉しく感じます。
ここは違うんじゃないかとか、質問などがあればコメントやTwitterにてお願いします。

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