下北沢、手押しする君へ

死にたい癖に、死にたい癖に。
拒絶をするな享受しろ。目の前のものを、私を、ただひたすらに享受しろ。自ら落ちぶれようとするな。その終着点を不幸と自称するな。君は欲深い死にたがりの死に損ないだ。約束なんてするから。約束なんてするな。
でも、君は悪くないよ。決して悪くないよ。断じて悪くないよ。だって悪くないんですもの。自分は悪くないんだと瞼を甘くしながら訴えてきたこと、決して忘れないよ。本当、本当ですよ。多分ね。
今思えば、お互い自己の確立なんてしちゃいないのにやたらと自己を押し付けあっていたね。正直、心地が良かった。一生妥協点を探していればよかったのに。救われる勇気もないのに自分の今までを全てを甘えと定義付けるように死は救済だなんて抜かすから、もう頼むから幸も不幸も判断出来ぬほど滅茶苦茶になってくれって祈ったの。私は君が人間なことに酷く安心していたのに。
何度も言うけど君は悪くないよ。私、君が教えてくれた不清潔で不健全で不健康、それでいて最低なこの感情で生きているの。だから忘れる気だってないよ。ありがとう、青春時代が君で。でも時代になんてならないで。季節を象徴しないで。付随してこないで。今日も目の裏に張り付く耳障りのいい言葉と一緒じゃないと眠りにつけないの。こびりついてはとれないの。壊れるのに躊躇しないならもっと無表情でもいいのに。
ねえ、お願い最悪でいて。最悪でいてね。ずっと最悪でいてね。私、どうしたって君を忘れたくないみたいだから永遠に最悪でいてね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?