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コラムニストの方の乗車拒否?問題について

今更ながらではありますが、各方面で話題になっていた下記の件にコメントしたいと思います。
〇「JRに乗車拒否された」車いす女性のブログに賛否
https://www.j-cast.com/2021/04/05408842.html
一度お会いしたこともある方ですし、あまり触れないほうが良いと思いましたが、電動車椅子を使う自分自身にとって身近な問題なので、頭の整理のために触れておきたいと思いました。
慎重な表現を考えて少しずつ記述していたら、数日経っていました笑。
「合理的配慮を訴えたいのはわかるけれど、自分は同じことはしないなぁ」というのが最初の感想でした。
権利面で交通機関の合理的配慮を求める主張は理解できます。


ただ、私も電動車椅子使用者ですが、「電動車椅子を持ち上げて階段を運ぶ」という対応を自ら求めたことはありません。
一番の理由はやはり危険であるからです。
私自身、結果として、駅で電動車椅子を持ち上げて運んで貰ったことはあります。
以前、東京メトロの地下鉄駅で乗せてもらおうとした備え付けの昇降機・エスカルが急に故障してしまい、駅員さんの提案で電動車椅子を持ち上げて貰いました。
自分は手動車椅子を借りてヘルパーさんと駅員さんで地上に挙げてもらい、階段の上から駅員さん4~5人で電動車椅子を運んでくれている様子を見ていました。
正直、ふらついて凄く危ない感じで、転倒されて駅員さんや周囲の方が命に関わる怪我をされるのではと思い、怖くて見れませんでした。
幸い無事に運んでいただけましたが、やはり、提案されてもお断りすべきだったと後悔しました。
この方の電動車椅子は私のよりも軽いようなのですが、それでもこの方のブログの写真見ると、不安を感じました。
また、企業側に「理不尽な対応を強要された」と感じさせてしまうと、企業側から理解に努めようという意思を奪ってしまうかもしれないという不安を感じます。
もしかしたら「障害者がうるさいから」という形での配慮は実現されるかもしれませんが、そうなると合理的配慮はむしろますます理解されない概念となってしまうように思います。
もちろん単に私自身の価値観の問題かもしれません。


私自身も障害関係で企業や組織に改善を求めたことが何度もあります。
私の場合は、個人として、書面を送り、責任のある立場の方に見解や今後の対応について回答をいただくようにしています。
どれほどの効果があったかはわかばいケースもありますが、誠意ある回答をいただけたことは多いです。
マニュアルの改善などを約束されたケースもありましたし、複数の声を受けて、ユニバーサルデザインに力を入れはじめた企業もありました。
私が早稲田大学にトイレ介助の制度を作ってもらった際も、1人で文書を作って学生課さんに何度も足を運んでいると、理解してくれる職員さんも出てくるようになり、一緒に考えて制度を作ってくれました。
卒業後も多くの障害のある学生さんがその制度を利用していると聞きます。
なので、私の経験ではありますが、対決姿勢を前面に出さなくても、むしろ改善を求める相手とは一緒に、ときには相手の立場にも立ちながら、問題解決を目指すほうが有益であるように思います。
(もちろん、当事者運動の方も上記のような活動をされていることも知っております)
ただ、確認していたルールと矛盾する対応をされたケースや危険を感じるケースなどでは、直ぐに抗議して、対応してもらうともあります。
特に乗り遅れられない飛行機への搭乗などの際は落ち着いた対応ができないこともあります。
私も過去には冷静でなくなったこともあり、航空会社の情報共有不足で搭乗までに電動車椅子のバッテリーを3回も開けて点検されて乗り遅れそうになった際は、スタッフの方に「○○○(ライバル航空会社の名前)を選んでいればスムーズにいけたんですかねー」という禁断の嫌味を投げかけてしまったこともありました笑。
ちなみに上記の航空会社さんもそれ以降は問題なく乗れていますし、申し訳なかったです。
ですが、今回のケースは、緊急に対応を求める状況にあったように思われないこともあり、方法は様々あったのではないかと余計に思ってしまいます。


もちろん、今、電動車椅子で鉄道を利用しやすくなった背景には、数十年前どの駅にもエレベーターもない時代に生きるために危険を冒して鉄道を利用し続けた電動車椅子使用者の方や当事者の方の運動の努力があったことも忘れてはいけないと思います。
一方で、それに懸命に応えてきた社会や企業の努力があったことも事実であり、社会変化に合わせて方法を変えていくことも必要だとも思います。
かなり日数は経ちましたが、業界?(鉄道系ユーチューバーさんや他分野の評論家の方まで)を超え、多くの意見を目にしたので、自分はどうなのか整理してみました。
様々な意見、アプローチがあって良いと思います。
私も引き続き駅の物理的なバリアフリー化は必要であると考えます。
かなり進んできてはいるので時間の問題だと期待しています。
(無人駅については地域の実情を総合的に考えるべきかと…)
最終的には、既にサンフランシスコや台北の地下鉄、一部国内路線で実現しているように、ホームと電車の間の段差がなくなり、駅員さんのサポート無しで自由に乗り降りできれば問題は起きにくくなると思います。

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