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父親の涙

2011年3月13日にいわきの親戚宅に避難してから1週間くらい経った頃、両親が自分に言わずに富岡に戻り、置いてきたネコを連れてかえってきた。生きててよかった!しかし、同時に放射能の影響が定かでなく禁止されていた食糧を持ち出してきて、ただでさえガソリン不足というのもあって、こっぴどく父親を叱ってしまった事があった。すると父親の目から大粒の涙がポロポロと…。それは生まれて初めて見る父親の涙だった。物流が止まって物資不足だったいわきで、お世話になってる親戚への気持ちだったんだろうけど、イチエフの爆発まもなく、詳細な現地の状況が定かでない当時からしたら無謀にも思えた。帰ってきた両親とネコを福祉センターのスクリーニング場に連れて行き、異常がないことを確かめてホッとしたと同時に、どうしても富岡に行くなら両親じゃなく自分が行くべきだったと反省。その後、4/22の警戒区域制定まで、あの手この手で何度か富岡へいくことになる。

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