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keyball44mod choc版の試作(2)SU120基本編

今回はSU120についての記事です。公式の解説も十分手厚いのですが、作成中に感じた疑問点の補足などをさせていただきます。

SU120とは

自作キーボード界では有名なキーボード試作に特化した基板です。MITライセンスで公開されており、JLCPCBなどで自分で発注もできますし、販売しているネットショップもあります。今回私はネットショップから購入しました。(※SU120のサポートが大変という話を見かけたので、ショップへのリンクは削除しました)
試作に特化しているというのは、キースイッチひとつひとつを切り離して配置できるように切り込みが入っているからです。切りこみ部は橋渡しされている細い部分にも電気が通るようになっています。このため、完全にバラバラにしない場合は切り離し方を工夫すると配線が少なくて済みます。縦なり横なり、くっついていれば導通している状態です。
なお、基板1枚では列がA~Eまでの配線ですが、実際はJまで列が配線できますので、5列追加した10列まで対応し、行方向には6まで対応するので、あと2行追加できます。
基板1枚で18キー使えますので、44のためには3枚必要になります。

SU120の加工について

切り離し方について、特に公式でインストラクションはなかったのですが、ニッパーで切ってヤスリで削るのが一般的かと思われます。切り取り部にも電気が通るように金属が入っているので、ダメにしてもよいニッパーか金属用の強いニッパーを使うべきです。やすりがけ作業が大変なので、基板の設計ができる人はJLCPCBなどで試作してしまうのも良いと思います。特に基板の端に配置された基板間固定用の小さい部品は点数も多く、全部やすりがけすると中々時間がかかりました。ただ、今回の私のように立体キーボードを試す場合はSU120は有用です。
なお、基板下部の2U対応部ですが、点線で1.25Uや1.5Uが示されているものの、切るのはなかなか苦労します。私は1.25Uで切ってみましたが、がっつり金属が入っているので切るのは大変です。たまたま手元にあったアメイジングカッターで切れましたが、普通はPカッターで切るのかと思われます。なお、アメイジングカッターは刃こぼれ・交換が必要でした。
結論として、よほどこだわりがない限り、そのまま2Uで使うか、一番切りやすい1Uで使うかのどちらかがおすすめです。

ProMicro取り付け部について

ProMicroは基板の両面どちらにつけるか、またProMicro自体を表裏どちらで付けるかで4パターンの付け方があると思います。分割キーボードの場合は一部ジャンパブリッジが必要ですが、裏面だけ付けよという指示が若干分かりづらかったです。以下に示す写真は基板の表面に裏向きにProMicroを実装するやり方です。

左手側ProMicro基板表側

ジャンパ部をマスキングしているのはUSB端子でショートしそうだったからです。USB-MicroBのProMicroを使用しておりますが、裏返しで付けると高さがギリギリで基板にUSB端子が触れます。

左手側ProMicro基板裏側

こちらの面のジャンパを3か所ブリッジします。下のようにProMicroを取り付けた時、端子の対応は上の写真に書いてある通りになります。

左手側ProMicro基板表側 取付時(端子はんだ付け前)

ねじについて

ネジですが、M1.4を必要とします。公式にしたがって、Chocスイッチを使用する前提で、M1.4 L5の低頭ネジをウィルコで、ナットをアリエクスプレスで購入しました。ウィルコのネジであればきついからナットなしでも止まるとの記述がありましたが、わりと緩かったです。ナットがないとほぼ止まらないと思っておいた方がよさそうです。

https://wilco.jp/products/F/FX-EB.html#page1

こちらが使用したネジ。ナットはアリエクスプレスで探してみて下さい。

また、後ほどボトムプレートをプラ板で作った際に、長いネジも用意しておくべきだったと思いました。基板を結合するパーツがちょうどL5とナットで留まるので、その下にボトムプレートを配置するにはさらに長いネジが必要です。といってもL8までしかないので、3㎜板でボトムプレートを作ってギリギリとなる計算です。ご参考までに。

今回はここまでとします。次回はSU120のどのピンに何をつなげばkeyball44を再現できるかの考察になります。


この記事はkeyball44mod (Choc, Ortholinear) で書きました。


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