損な役回り
男子バレーボール日本代表監督である中垣内祐一監督が、日本代表監督の退任を発表した。
元々、東京オリンピックまでの契約で、今回は直後のアジア選手権まで指揮を取ってからの退任。おそらく、特に揉めるようなこともなく、円満に退任になったと思う。女子と違って。
中垣内監督は正直、何もしていないと思っていた。戦術はブランコーチに任せており、タイム中の指示を出すこともない。なんなら、輪の外にいる。ブランが監督でいいじゃんと、試合を見ながらいつも野次を飛ばしてた。
しかし、ふと、中垣内監督の凄さに気がつく。戦術面はブランコーチに一任しているにも関わらず、批判の矢面に常に立ち続ける。結果が残せなかった時、負けた時、常に、選手やコーチに批判が向かないように矢面に立ち続けた。そして、逆に結果を残した時、勝った時、選手を称賛していた。
お飾り監督とも揶揄されていたけれど、ここまで徹底して、矢面に立ち続ける凄さに気がついた。自分が得をすることなんて何もない。それでも、男子バレーの将来のためにチームを守り続けた。
選手の起用も、連続で使い続けることはほとんどなかった。コンディションに気を使い、選手がベストパフォーマンスを出せる土台づくりを行なっていた。
オリンピックが終わった後、監督は選手のことを、どこに出しても恥ずかしくない。もっと注目して欲しいと語っていた。監督として、これを言えるほど嬉しいことはないんじゃないか。胸を張って、最高だと言えるチームを5年かけてしっかりと作り上げた。
本当にお疲れ様でした。
ちなみに、一番大事なのは、ブランコーチが残ってくれるかどうか。ブランコーチさえ残ってくれれば問題ない。チームメイトとめちゃくちゃ仲良いし。個人的には前フランス監督のティリ監督が来たら嬉しすぎる。
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