光が照らす場所


「ここの、あさがおは、とくべつに、きれいね。」

この畑道をとおる人は、みな、そう思う。


ほかにも、たくさん、あさがおは、咲いているのにね。

どうして、ここの、あさがおは、こんなに美しい色をしているのでしょう。


あさがおが咲いているのは、畑の東側の、木立のすきまから、朝いちばんに、お日様が当たる場所。

お日様がのぼり始めた、まだ、空が白い時間にね、ひんやりと、しめった空気の中で、この朝顔に、横からひとすじの光があたるのです。


あさがおは、うれしくて、ありがたくて、よろこびの色に、そまります。

それから、それはそれはていねいに、つぼみをひらいて、咲かせていくのです。



ここの、あさがおが、とくべつに、きれいなのは、そういうことです。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?