【詩の森】607 いい時間
いい時間
時間は無尽蔵にあると
江戸人のようには到底思えないのは
僕らがいつも
命令状態にあるからではないだろうか
それを隠れた指令あるいは
プログラムと呼んでもいいかもしれない
このmustの社会では
効率が絶対的価値であり利益はその成果である
サラリーマンの僕にとって
経済至上主義こそ神だったのだ
杉浦日向子さんは
『お江戸の水と緑』というエッセーの中で
江戸人にとってのいい時間とは
感動を伴う時間のことだと書いている
「ああ、おいしかった」とか
「ああ、嬉しかっ