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詩の森

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週に一回くらいのペースで、自作の詩を発表していきたいと思います。俳の森をさ迷っているうちに、いつしか、詩の森に紛れ込んでしまいました。
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2023年10月の記事一覧

【詩の森】554 見惚れる

見惚れる 子供は何かに見惚れて よく立ち止まったりするものだ 遊園地などで 子供が迷子にな…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】553 悪代官

悪代官 植物の名前にも色々あって それらはみな 人間の都合で付けられたものだが 茄子に似た…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】552 悪意の時代

悪意の時代 毎日数十件もの詐欺メールが届く アマゾンを騙るもの 銀行を騙るもの ETCを騙…

金子つとむ
7か月前
2

【詩の森】551 自問

自問 自分を信じて生きるのか 国家に縋って生きるのか 理不尽に抗って生きるのか 目を瞑っ…

金子つとむ
7か月前

【詩の森】550 つなぐ人々

つなぐ人々 僕らは学校で正史を学ぶ 正史では支配の正当性のみが強調される 呻吟する民衆の…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】549 言葉の種

言葉の種 心に蒔かれた種のように 僕のなかで 育っていく言葉がある いつしかその言葉が 僕…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】548 僕らと彼らの願い

僕らと彼らの願い 僕は来年70歳です 昔なら古来稀なりといわれるほど 長生きしてしまいました しかし 内心を明かせば 僕が本当に生きていたと思えるのは 定年後の僅か10年足らずなのです 僕はそれまでも 確かに生きてはいましたが 心はコントロールされていたからです 僕は教えられるままに この社会を受け入れて育ちました それが単なる建前だなんて 想いもよらなかったのです 僕は先生を信じ学校を信じ社会を 信じていたのです さまざまな疑問を片隅に追いやったまま 必死になって働

【詩の森】547 僕らの知らないこと

僕らの知らないこと 僕らは 僕らの知らないことが何なのか 予め知ることができない 「これは…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】546 無限の空

無限の空 ふだんは気にも止めないけれど 僕らは無限の空を見上げている かつて 富岡多恵子と…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】545 ホントを探る

ホントを探る 弟子の子路から 政治に関わることになったら何をしますか と問われた孔子は 名…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】544 語り合う木

語り合う木 君が考え続けているのなら 君の考えの木は 少しずつ太くなっていることだろう 君…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】543 特権

特権 三権分立の三権というのは 立法・司法・行政権のことです 日本が実質的に三権分立かど…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】542 もっとほんとうのこと

もっとほんとうのこと 内閣は憲法73条の規定を逸脱して 法案を提出し 数の力で強行採決を…

金子つとむ
7か月前
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【詩の森】541 時の旅人

時の旅人 春は夏にゆずり 夏は秋にゆずり 秋は冬にゆずり 冬は春にゆずる 私たちは時の旅人 親は子をいつくしみ 子を育てあげ 子にゆずる 私たちは次の世代へ 社会をゆずり 国をゆずり 地球を丸ごとゆずる ゆずるためには 自然を壊さぬことだ 美しいものを沢山知ることだ 命を愛しむことだ 雀の寿命は五年ほど 蝉の成虫は二週間 人間は 長くても百年か 星の巡りと人の巡り 雀も蝉も人間も 私たちはみな 生き切ってゆずる 2023.9.13