【詩の森】548 僕らと彼らの願い
僕らと彼らの願い
僕は来年70歳です
昔なら古来稀なりといわれるほど
長生きしてしまいました
しかし
内心を明かせば
僕が本当に生きていたと思えるのは
定年後の僅か10年足らずなのです
僕はそれまでも
確かに生きてはいましたが
心はコントロールされていたからです
僕は教えられるままに
この社会を受け入れて育ちました
それが単なる建前だなんて
想いもよらなかったのです
僕は先生を信じ学校を信じ社会を
信じていたのです
さまざまな疑問を片隅に追いやったまま
必死になって働