【詩の森】517 良寛月見の松
良寛月見の松
良寛さんの逸話に
良寛月見の松というのがある
僕も最近になって知ったのだが
こんな話だ
訪ねてきた友のために
良寛さんが酒の買い出しに出掛ける
しかしなかなか戻ってこない
たまりかねてその友人が探しにいくと
松の木の下に腰をおろし
何と月見をしていたというのである
酒代を握りしめ
詩歌を口ずさみながら―――
この逸話の解釈は
人それぞれだろう
この友が良寛さんに何といったか
あるいは相手が気づくまで待っていたのか
それは分からない
普通の人なら呆れてしま