マガジンのカバー画像

詩の森

640
週に一回くらいのペースで、自作の詩を発表していきたいと思います。俳の森をさ迷っているうちに、いつしか、詩の森に紛れ込んでしまいました。
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

【詩の森】508 雨ニモ負ケズ

雨ニモ負ケズ 僕の知っている 宮沢賢治さんは ほんとうの賢治さんでは ないのかもしれない …

金子つとむ
10か月前
5

【詩の森】507 夏の朝

夏の朝 朝まだき 庭の雨蛙がふいに鳴きだす 声は大きいが体は小さい 今日初めて聞く 生きも…

金子つとむ
10か月前
2

【詩の森】506 一日暮らし

一日暮らし 韓国ドラマ 『天気がよければ会いにゆきます』は 山間の小都市を舞台に 大きな闇…

金子つとむ
10か月前
5

【詩の森】505 表と裏

表と裏 コマーシャルが いいことばかりを宣伝するのは 誰でもよく知っている 悪いことは伏せ…

金子つとむ
10か月前
5

【詩の森】504 斑模様と思いきや

斑模様と思いきや y=ax 養老孟司さんが バカの壁のなかで示した一次方程式 ――― 入力…

金子つとむ
10か月前
1

【詩の森】503 人の時間・社会の時間

人の時間・社会の時間 僕が腕時計を 初めて買って貰ったのは いつのことだろう 現在のように…

金子つとむ
10か月前
13

【詩の森】502 括弧付き

括弧付き おいおい 昨日と意見が変わったからといって 僕を責めないでくれよ 僕も君も 毎日変わっているんだからね だから 僕の意見はいつだって括弧付きなんだ つまり その時点で 僕が知っている情報から導き出した 僕の考えっていうことさ あの養老孟司さんも いってたじゃないか 変わるのは人間で 変わらないのは情報のほうだって――― 万物は流転しても 「万物は流転する」という ヘラクレイトスの言葉は不変なんだよ 僕の詩を読んだある人が 僕をアナーキストだと呼んでいた きっ

【詩の森】501 生々流転

生々流転 バカの壁という本の中で 僕らはあべこべの世界に生きていると喝破したのは 養老孟…

金子つとむ
10か月前
2

【詩の森】500 またしても

またしても 僕らはだれでも 思い込みや勘違いをしやすいので いちいち目くじら立てるのはど…

金子つとむ
10か月前
1

【詩の森】499 こちら側とあちら側

こちら側とあちら側 『安い』も『便利』も こちら側からみれば幸せなことだが あちら側から…

金子つとむ
10か月前
4

【詩の森】498 心を込めて此処にいる

心を込めて此処にいる 家族の中でいちばん 早寝早起きの僕の日課は 毎朝四時に起き 前日の洗…

金子つとむ
10か月前
3

【詩の森】497 パリ不戦条約と憲法9条

パリ不戦条約と憲法9条 1928年 第一次世界大戦への反省から フランスの提案でパリ不戦…

金子つとむ
10か月前

【詩の森】496 空虚な文章のつくり方

空虚な文章のつくり方 空虚な文章とは たとえていうなら 他人の息で膨らませた 風船のような…

金子つとむ
11か月前
2

【詩の森】495 永遠を信じる

永遠を信じる もう100年以上も前に描かれた ポール・ゴーギャンの絵に 我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか という長いタイトルの大作があります 100年足らずで 個人はほとんどいなくなっても 生き変わり死に変わりして 人類が生きのびていけるなら 僕らは永遠を信じても いいのではないでしょうか 一日一日を繰り返す僕らの暮し 一年一年を繰り返す地球の運行 そして命が命を生み出す命の連鎖――― まさにそのことのなかに 僕らはかつて 永遠を夢見たの