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詩の森

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週に一回くらいのペースで、自作の詩を発表していきたいと思います。俳の森をさ迷っているうちに、いつしか、詩の森に紛れ込んでしまいました。
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2023年6月の記事一覧

【詩の森】492 嘘と生きる

嘘と生きる 世の中が まさかと思うような大いなる嘘で 動いていると知った後でも 世の中が変…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】491 ということになっている

ということになっている 日本は民主制の国なので 基本的人権は尊重されている ということに…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】490 春の夕ぐれ

春の夕ぐれ 淡い水色の空に棚引く 薄桃色の雲 見ているだけで心が和むような 春の夕ぐれ 何…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】489 どっちなんだろう

どっちなんだろう 元首相が遊説中に凶弾に斃れたとき 民主主義の危機だと騒がれた 今また現…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】488 アバウトでいいなら

アバウトでいいなら 雑巾を固く絞るように僕の心も きつく締め上げられていたのだと 今にな…

金子つとむ
11か月前
2

【詩の森】487 幸せの五感

幸せの五感 僕らの耳は それが注がれる音で お湯か水かを 聞き分けることができます 僕らの…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】486 謀るコトバたち

謀るコトバたち 今日もニュースが 新しいコトバを連れて この町にやってくる すると競うようにそれを口にし 僕らが率先してそのコトバを広めていく 僕らは知らず知らず コトバの伝道師に なっているのだ 新しいコトバは 流行をつくり 古いコトバを駆逐していく もし僕らが何も気づかず そのことに加担しているとしたら 君はどう思うだろうか 自己責任というコトバが大手をふれば 政治責任は影を潜めてしまうだろう パンデミック 三密 ウィズコロナ ポストコロナ 気候危機 脱炭素社

【詩の森】485 幻想どうぶつ

幻想どうぶつ 世の中が少し分かりかけてきたのに 世の中を去る日が近づいているとは いった…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】484 僕の体を思う

僕の体を思う 今はもう成人した子が 初めてハイハイをしたとき はひはひが春の窓辺へまつし…

金子つとむ
11か月前
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【詩の森】483 この空を

この空を この空を今 河原鶸のむれが飛んでいく ふりそそぐ鈴の音でそれと分かる この空を今…

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【詩の森】482 萎んだ風船のままで

萎んだ風船のままで 人間についての膨大な知識を いくら溜め込んだところで 人生が分かるわ…

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【詩の森】481 僕が考えたこと

僕が考えたこと したいことだけすればいい時間ができて 真っ先に始めたのは考えることでした…

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【詩の森】480 手放しで

手放しで 春が来ると嬉しい 花が咲くと嬉しい 夏が来ると嬉しい わけもなく嬉しい 秋には秋…

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【詩の森】479 みんな違って

みんな違って 教育学者の大田堯さんは いのちの特性は 違う 変わる 関わる ことだという 詩人の金子みすずさんは 私と小鳥と鈴とという詩を 鈴と、小鳥と、それから私、 みんな違って、みんないい。 と結んだ 僕の大好きな詩である 僕の飼っている 二匹の猫は 兄弟だが性格は大いに違う おっとり型のゆずと 気が強いベリー 猫でさえそうなのだから 僕は人間も みんな違って、みんないい と思っている そして それを認め合える社会がいい しかし僕は 他人が僕とどれほど違ってい