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詩の森

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週に一回くらいのペースで、自作の詩を発表していきたいと思います。俳の森をさ迷っているうちに、いつしか、詩の森に紛れ込んでしまいました。
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2022年8月の記事一覧

【詩の森】君の知っている世の中

君の知っている世の中 もし君が NHKのニュースしか 見ないのなら 君はNHKが盛んに報道…

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【詩の森】とんだ人

とんだ人 あまり悪くは いいたくないが その人は有名人だ 毎日のように テレビに顔を見せる …

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【詩の森】路地燕

路地燕 三月の終わり 南方からいつもの鳥が やってくる 小さな影がさっと路地をぬけ 夕空に…

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【詩の森】ご飯と情報

ご飯と情報 僕が独身の サラーリーマンだった頃 食事といえば 店屋物ばかり食べていた 時間…

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【詩の森】その先のこと

その先のこと 添加物を体に入れつづけた その先のことを 考えてみる 低線量の人口放射線を浴…

【詩の森】鳩の羽

鳩の羽 庭の樫の木で 子育てをした鳩が 一本の羽を落してゆきました 十センチほどの 風切り…

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【詩の森】永遠の片思い

永遠の片思い ぼくは鳥が好きだ 何故だかよく分からない 若い頃は 重い機材を担いで 鳥の写真を撮り歩いた そのせいか 鳥声には敏感だ ぼくの見上げる空には いつも鳥が飛んでいる 空は 鳥の領域なのだ 大地に零れた 草の実だろうか 鳥が忙しそうに啄んでいる うまいのかまずいのか 鳥の表情を 読むことはできない いやそもそも 何を思っているのか 思っていないのか それさえも分からない それでも ぼくは鳥が好きだ 彼らの生き方は とてもシンプルに見える 『食べる』と 『

【詩の森】種の話

種の話 僕の知っている 種の話を二つします 一つ目は野菜の種についてです もうずいぶん前か…

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【詩の森】隠されたピース

隠されたピース 折角報道されたのに たちまち掻き消される 情報がある だれにも届かぬまま …

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【詩の森】散歩道から

散歩道から いつもの散歩道 小貝川の土手に立って しばらく 筑波山を眺める 薄藍の山容は く…

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【詩の森】友あり遠方より

友あり遠方より 孔子のことばに 友あり遠方より来たる また楽しからずや というのがある 初…

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【詩の森】春籠

春籠 冬籠という季語は 雪に閉ざされた北国の暮らしを 彷彿とさせる 雪国でなくても 冬はと…

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【詩】恐怖操作

恐怖操作 むかしは 地震雷火事親父といって 恐れをなしたものだが 今はどうなのだろう 大量…

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【詩の森】不便はじめました

不便はじめました 先日携帯を解約しました ずっと前から 解約したかったのですが 解約料が高くて 無料になるのを待っていました 契約内容を確認しなかった 僕がバカだったのです 知っていれば 始めから契約しなかったのに 今はなんだか 晴れ晴れとした気分です 便利さだけの世の中に ちょっと反抗したような――― これで 空の上から監視されることも ないでしょう だれにも居場所を知られず 自由になれます もともとそれほど 使っていたわけではないので あまり不便はありません