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詩の森

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週に一回くらいのペースで、自作の詩を発表していきたいと思います。俳の森をさ迷っているうちに、いつしか、詩の森に紛れ込んでしまいました。
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2022年3月の記事一覧

【詩の森】戦争体験談

戦争体験談 今年84歳になるという おばあさんの 話をきいた 東京大空襲で 焼夷弾の火の粉の…

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【詩の森】幸せのかたち

幸せのかたち 知恵とは 恵みを知り 感謝する心のことだろう 真実を語るのは きっと 我欲を捨…

【詩の森】夢の話

夢の話 変な夢をみた ひとがそれぞれ しゃぼん玉のなかに入って ぷかぷかと 浮んでいる 風に運…

【詩の森】はみだしていく

はみだしていく 描線から 色がはみだしていく ラウル・デュフィの絵のように 予定通りでなくて…

【詩の森】引き裂かれて

引き裂かれて 朝5時半 身体は未だ寝ていたいのに 脳が起きる時間だという 会社との契約を 人…

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【詩の森】みんなが清志郎

みんなが清志郎 どんなに便利でも 安全じゃなきゃダメだって 原発事故が教えて くれたじゃない…

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【詩の森】フラット

フラット かつて 八木重吉という詩人は わたしのまちがいだった わたしの まちがいだった こうして 草にすわれば それがわかる とうたった 私たちは 今 めいめいが 草にすわるときでは ないだろうか 私は 農家の倅に生まれたが 50歳を過ぎて 緑の革命という ことばを知った 収入の多寡だけにとらわれ サラリーマンに なったものの どうやらそれも 仕組まれたことのようだ 大いなる国の政策――― 自分の意志だと思って やってきたことは いったい 何だったのだろう 還暦を過ぎて

【詩の森】春の雲

春の雲 春の雲が 浮かんでいる 薄いベールに包まれた空に 一つ二つ三つ 水を含んだ 綿菓子のよ…

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【詩の森】サラリーマン

サラリーマン 疲れの溜まった体を ベッドから引き剥がし 毎朝僕は 働きに出る 職場までは 片道…

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【詩の森】奇天烈公職選挙法音頭

奇天烈公職選挙法音頭 一、 立候補には金がいる 供託金は世界一 貧乏人を締め出して 二世三世…

【詩の森】内閣総理大臣です

内閣総理大臣です 憲法6条の2は 最高裁長官について 次のように規定しています 天皇は、内閣…

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【詩の森】嘘を諦めると

嘘を諦めると もしリーダーが 縁あってこの国に住み 今を一緒に生きる人々の命を ほんとうに …

【詩の森】そのこととあのこと

そのこととあのこと 政治家は そのことばかりを 考えています 当選できないと 死活問題 だから…

【詩の森】遠まなざし

遠まなざし ここに 一枚の老婆の写真がある サマショール チェルノブイリ原発事故の 立ち入り制限区域に 自らの意志で立ち戻った人々を そう呼ぶそうだ 撮ったのは 写真家の中筋純さん その老婆は 大きな手に取れたての じゃがいもをもって 少し顔を上げて立っている 彼女は 何を見ているのだろう ふと 松本俊介の 立てる像を思い出す かつて 私たちの祖先も 遠くを見つめる眼を もっていた 遥かに未来を見はるかす眼を・・・ 村上鬼城が 生きかはり死にかはりして打つ田かな と詠んだ