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2024年4月度Fes×LIVEを写真でどう表現するか

有料にしてありますが本文は全部無料で読めます。

 スクールアイドルコネクト、通称スクコネ。
 スクールカレンダーと連動してコンテンツが動くLink!Like!ラブライブ!を皆さん楽しんでいらっしゃるでしょうか。
 昨年のリリースから1年、今年も4月度Fes×LIVEが実施されたわけですが皆さんはどの環境でご覧になられたでしょうか。
 スマホ、タブレットで自宅から、映画館にて行われた特別上映、もしくは作中の会場である卯辰山ふれあい広場であったり。ちなみに私は昨年、グリルオーツカでハントンライスを食べながらFes×LIVEを見ていた、花より団子。

報道写真?

 このコンテンツが面白いのはリアルタイムで物語が進んでいくことは今更言うまでも無いだろう。
 今年はそのリアルタイムを楽しむためにどういう行動を取るのが一番面白くなるのか、写真を趣味にしてる自分はこのリアルタイム性のコンテンツを見ていく上で何を写真に残すのが良いのかという試行錯誤の末に生まれたのが次の投稿になる。

 私はFes×LIVE開催時に雨が降る中で卯辰山ふれあい広場にいた。
 バーチャル上で行われるライブと同じ位置座標でライブの時間軸も同じ、なのに見える景色は全く違うというのがなかなか面白い体験だった。
 この卯辰山ふれあい広場、明かりが全くない。そのため実際に見える光景は自身の持つデバイスの液晶だけになる。同じことを考えるオタクがちらほら現れて点々と光源があり、それに照らされるオタクの顔がうっすら見えるというのを予想していた。
 そしてその光景を撮って写真にするのが、カメラを持つものとしての矜持。蓮ノ空というコンテンツがどういうもので、その当時どういう楽しまれ方をしていたのかという視点で記録しようとする酔狂なバカは自分くらいしかいないだろうという算段で現場にいた。

木村伊兵衛と沼津の写真

 なんでそんなことをしたのか、直前に東京写真美術館で木村伊兵衛の展示をみて影響を受けていたことも大きい。木村伊兵衛のアンリ・カルティエ=ブレッソンの撮る報道写真をみて自分もやらないといけないのは報道写真だと気づいたというエピソードよろしく、自分が今必要としているのも報道写真的な立ち回りなのでは無いかという思いつきから始まっている。
 というのも、写真的な視点でラブライブ!に今主流というか大きな流れを作っているのがU5K氏の写真を元に火照ちげ氏イラストを描き加える「Find Our 沼津」だ。
 私が知る限りでラブライブ!と写真との関係を遡ると、沼津のファンコミュニティの入り口としてつじ写真館さんがあり、そこから写真コミュニティが広がり沼津にいけば誰かしら知り合いのカメラ持ったオタクが居るみたいな状況があった。
 私もその仲間に加えて貰い…といってもカメラ持って#浦の星写真部のタグをつけて活動してればなんとなくいいねが飛び交う位のゆるいつながりがあったおかげだ。
 その当時から流行っていたというと微妙だが、よく見た表現が「その場に居ないけどキャラクターが見える」というような写真。そう、Find Our 沼津のちげ氏のイラスト抜きみたいな写真である。知り合いの間で不在写真と呼ばれてたりする。これが流行ったのも、沼津にはAqoursが住んでいるというラブライブ!サンシャイン!!を楽しむ上で見えると楽しくなる集団幻覚があるからだろう。
 木村伊兵衛が当時の芸術写真にピンときていない時にブレッソンの報道写真という在り方に感銘を受けたように、自分もこの不在写真が芸術写真として同じ立ち位置にあると感じてなにか違う表現が写真としてやれるのでは?  
 というかこれは「Find Our 沼津」という完成形がある限り、自分がやる必要があまりない表現だなと思っていた。確かにこの不在写真の表現は撮るときもわかりやすくて面白いし、SNSで出したときも作品というコンテキストを知っている人間から理解が得られていいねというコミュニケーションが発生して楽しい。だけどそれだけやっていても広がりのなさを感じているのも事実。
 「Find Our 沼津」の手が届いてない部分、姉妹作品のお台場、原宿、金沢で不在写真を撮るのはまだ未開拓領域が多く撮りがいがある。でもそれだけじゃ行き詰まるし、特に蓮ノ空、金沢をリアルタイム性を絡めて撮るというのは表現にかなり悩んでしまう。といったときにヒントになりそうだと思ったのが報道写真というテーマだった。

改めて写真を見てみよう

 先ほども書いたがこれは2024年4月度Fes×LIVEのリアルタイムの様子だ。
 まず状況としては結構な勢いで雨が降っていたこと。それなのに見て取れるだけのオタクが集まってる異常な熱量。
 フォーラスでの特別上映も満員御礼らしくそこからあぶれたオタクがここに集まっているのかどうかはわからないが、自分のように最初から現地で見ようという人も居た、なにせ奥の光の正体はプロジェクターを使用している。
 手前のタブレットで見るというのはまだ理解できる、カメラをセットする前に様子をうかがいに行ったときに、マナー云々の前にあまりの異様な絵面に笑わずには居られなかった。厳密に触れるとあまり褒められた行為ではないだろう。なのでTwitterにこの写真を載せるときはそれを強調しないようにあくまで私の組み写真の一部として使うことで灰汁を抜いて投稿してある。
 それでも、報道写真というテーマでこの場に参じた私としてはこんなに面白い状況を記録しないでその手に持っているカメラはなんのためにあるのだという話の結果がこれだ。
 あと、気を使うのは個人が特定出来にくい、顔がはっきり映らないようにする必要がある。このときの設定はシャッタースピードが5秒にしている。つまり微妙に動けば被写体ブレではっきり映らないことになる。
 5秒微動だにしなければくっきり映ることになるが、Fes×LIVEに見入ってて全く動かない人も居れば動きまくってブレブレの人も居るのが面白い。
 そしてこの写真で記録されているのは蓮ノ空というコンテンツの異常な熱量そのものだと私は思う。
 雨の中、夜、熊が出るかもしれない山奥に人が居るのは決して褒められた行為ではない、危険である。前日、私はこの写真を撮るために友人と同じ場所に来ていたが、それでも熊鈴をつけて行動していた。

しかし、危険を承知で何かあっても自己責任なのを前提として、蓮ノ空の異常な熱量とリアルタイム性を写真で表現しようとしたときにまさしくこれだろうという写真になったと思われる。

まとめ

果たして、今後も蓮ノ空を写真で切り取ろうとしたときに同じものが撮れるかわからないし、また別の表現になっているかもしれない。
でも、蓮ノ空というコンテンツを写真で表現しようとしたときに、この報道写真という視点はきっとまた役に立つ気がするのだ。

以上、別所隆弘さんの「写真で何かを伝えたいすべての人たちへ」読んで、自身が撮った写真について語るということが必要なんだと学び、実践してみようという記事でした。

今回の内容はセンシティブな部分があるので、しばらく無料で公開した後に有料にするかもしれない。
面白かったらジュースおごる感覚で購入してもらえると嬉しいです。
記事を購入した方におまけとして、写真の撮影プロセスを載せておきます。

おまけ

卯辰山ふれあい広場ステージをライトアップしてる風に撮影するために使用した機材は、

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