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虹を見失っていた話

2023年6月スクスタがサービス終了した。
いや、サービス終了のお知らせがアナウンスされた頃から虹ヶ咲がわからなくなっていた。
元々そこまで熱量を持ったプレイヤーでも無かったので、当時は大きくリアクションしていなかったが、わからなくなった。

自分はスクスタはリニューアルアップデートがなされるものだと思っていた。人気が無くても、炎上しても、腐っても虹ヶ咲の屋台骨の一つだと思っている。とっつきづらいゲーム部分を簡略化してUIを整えればまだ戦えるのでは無いかと思っていたが、蟹がゲームを身売りした時点でそんな簡単なものでは無かったようだ。

ラブソングカーニバルもモチベが上がらず見ていなかったのがまずかった、
曲は聴いていたのでそのまま6th愛知公演を配信で見たが、スクスタがなくなったことによる高咲侑が悪目立ちするバランスの悪さに眉をしかめたままだった。
幕間でニジガクメンバーがこちらにコメントしているのに横で茶々を入れる高咲侑のせいで言葉がこちらに届かずステージ上で完結してる印象を受けた。

同好会→あなた≒高咲侑 は成立する
同好会→高咲侑→あなた は伝わりにくい
高咲侑のクッションを踏むとあなたである私たちには言葉が減衰して伝わる、そんなイメージがある。
それは高咲侑役の矢野妃菜喜さんがステージ上に立っているからだろうと思う。矢野さんは悪くない、ファンとの位置エネルギーが違うためにステージ上で完結してしまう。

あなたである私たちにストレートに気持ちが届いていたのは、スクスタの存在があったからこそだったんだなと無くなってから気づく。

そんなことを思ってしばらくニジガクから距離をとっていた。
嘘、スクスタ終了のあたりから距離はとっていた。

そして年が明け横浜公演を配信で視聴。

深いことを何も考えずに見て楽しんでいたが、Fly with You!!のタイミングで何かかが降りてきた。

まず、自分は虹ヶ咲を見るに当たって視点を広く、ミクロではなくマクロで見る必要があったこと。
虹ヶ咲とはもともとそういうコンテンツだったのだ。
新田恵海さんと伊波杏樹さんに見守られ発表されたと思ったらスクスタのリリース延期、しょっぱい時期を過ごしてやっとリリースされて1stやって、これからだと言うときにコロナの蔓延によりやりたいことが出来ず。
2ndストーリーは燃え上がり、それでもアニメが記録的ヒット飛ばしてファンを増やして、イベントも出来るようになってきたと思ったらスクスタが終了してる。

なにか上手く行ったと思ったら何かが抜け落ちるのが虹ヶ咲の歩む道だった。

スクスタの積極的なプレイヤーではなかったが、それでもリリースから遊んでいて、リリース前は良く居るあざといキャラだった中須かすみが健気に部室を守っている姿に心打たれたし、絆エピソードで同好会メンバーとふれあって1stライブでのシンクロで感動もしたし、歩夢と喧嘩別れして気落ちしたまま次のストーリー更新を待っていたのも、ようやく更新されたストーリーで公開仲直りしたのも、いがみあっていた栞子とドタバタしながら打ち解けて同好会の仲間になったのも、ランジュの登場と振る舞いに辟易しながらミアと璃奈のやりとりにいいもんお出ししてくるじゃないか…と感動したのも、ランジュが仲間になるんだったらもっと上手くヒールプレイさせろよ…と天を仰いだのも。
ガチプレイヤーと比べたら浅い思い出かもしれないが、確かに虹ヶ咲というコンテンツの旗艦としてのスクスタの思い出がフラッシュバックした。

それを失ってもなお、歩み続ける。
気がつけば、こちらに手を伸ばす虹ヶ咲スクールアイドル同好会の姿に、強いなぁおまえらは……と南雲監督になっていた。

スクールアイドルは、不完全でも熱を持った僕たちが作る芸術。
全体を俯瞰してみると、虹ヶ咲の歴史はどう見てもいびつで不完全だろう。
だが、Fly with You!!を歌う虹ヶ咲スクールアイドル同好会の姿が眩しくてしょうがなかった。

なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのか、いや、順風満帆にすすまない虹ヶ咲に対して鬱憤がたまって、うわべしか見ないようにしていたのかもしれない。

自分は縁あって、お台場の虹ヶ咲の痕跡が増えていくのをほんとに最初から見てきていたことも思い出した。
姉妹作品が増えて、どうしても優先順位をつけざるを得ない状態だが、それでも、遠くからでも、凸凹の道を進む虹ヶ咲に手を触れていたい、そう思った。

μ'sが未来を開拓して、Aqoursが、Liella!が、蓮がラブライブを目指す中で、新しいルートを開拓する虹ヶ咲がAqoursよりも先に7thライブにたどりついたのは感慨深い気持ちだ。

そして改めてFly with You!!。

自分が、曲、歌詞、MV、ライブでの爆発力、等を加味して個人的殿堂入りとしてるのがWonderful Rushで、ダブルアンコールのFly with You!!はそれに匹敵する多幸感に溢れていた。

両曲ともに同じモチーフで飛行機を使用しているし、Wonderful Rushは遙か遠くの虹を目指すことを歌っている。

Wonderful Rushのリリース当時、まだこのコンテンツに触れていなかったので噂のまた聞きの話だが、当時アニメがヒットするかもわからない空気のなかでこれで終わっても良いみたいな全力投球だった楽曲(他の曲の話と混ざっているかもしれない)というのを聞いたことがある。

Fly with You!!には似たようなものを感じている。
ここで終わるつもりはないが、ここが最高到達地点だと言わんばかりの音の厚みと熱を持ったステージパフォーマンス。

ああ、間違いない。
スクールアイドルのステージだ。


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