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古碁から学ぶシリーズ#1-2


部分譜(51〜100)

内容

今回は51手100手目までを見ていくことにする。

黒51のハネは気持ちの良いところである。左辺が盛り上がる上に上辺の白を攻め立てることができる。その上中央から下辺にかけての牽制になる。右下の白の失敗を皮切りに黒は好調である。白としては難しい局面で、局面をどのように判断しているかでこの後の構想が大きく変わる。

局面として白悪くない、もしくは好調であると判断するならば、左辺は簡単にきめて黒地にしてしまっても下辺に回れば問題ないのだか、この碁ではあからさまに右下で失敗しているので…この構想は白よろしくない。

その為白は左辺を根こそぎ荒らしにいく方針にした訳である。しかしこれが返って問題を大きくしてしまう…

黒は押しからゴリゴリときめて最後59と急所に構えて"全然平気よ〜"という態度をとった訳である。白としてはなんとか左辺の黒を攻めたいがとっかかりが無いため厳しいのである。

その上、上辺の白は安定していないというなんともな局面である。後手を引いていては間に合わないと判断して、間に合わせのブツカリを選択したわけだが…

白としては黒の一団を切らなくては始まらないということで、E-14の地点を切った訳だが…黒は上辺を押して厚くした上で71と寧ろ白を攻めにきた。こうなっては白は正直どうしようもない。なんとか反撃の糸口を探してはいるが、厳しそうではある。

白はケイマにかけてから中央になんとか頭を出した訳だが、ここにちょっとした罠があった。黒75のトビは一見自然な手に見えるが、この場合左辺でまだ渡っていないこともあり、白としては黒の隙をみつけたという所である。その為…

黒は冷静に渡っておいて、白が左辺と繋がろうとしてくれば譲ることで下辺の白1子を自然と飲み込むことが出来た。この進行であれば、白は投了秒読み段階といったところであろう。

実践は渡っていないために、黒は白を攻める前に自分の石が攻められないようにする心配をしなくてはいけなくなりました。このワンステップの遅れから少しずつ黒の歯車がずれ始めました。黒79のナビはもろその手で白はやっと反撃開始です。

覗きなどを決めて、白は目形が良くなってきました。黒91のカドに打った手は下辺の白1子を取り、尚且つ中央の白を攻めた一石二鳥のいい手に見えますが、実は寧ろこの後仮に白から働きかけられたら受けなくてはいけなくなってしまっており微妙な一手です。

流れが少し悪くなってきたのを意識してか、黒は一気に決めにいこうと黒93とかけていきました。しかし鼻息が荒くなってしまっており、この後精彩を欠くことになってしまいます。

白のキリにアタリをしてしまいます。やはり無闇なアタリは良く無いことを招くわけで…

白の中央の目形がどんどん豊かになる上に100手目の押しを調子で許してしまったことで、序盤に稼いだ貯金はもう使い果たそうとしています。その為中央の競り合いでは…

キリには単に引くことで、白から2.4と上辺への侵入は許しますが黒5の覗きが厳しく白はまた生き死にの話をしなくてはいけなくなります。その為白4はやり過ぎであり、白は中央を守らなくてはいけません。

その為白は4でアタリからトブくらいですが、これなら黒7と抑えておいて黒優勢を維持して終盤戦に突入出来そうな雰囲気です。

あとがき

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