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大山ドラ限界オタクが選ぶMy favorite story1

 唐突ではありますが、私はドラえもん(大山のぶ代ドラ)が大好きです。幼い頃から、録画した話を何度も何度も巻き戻して見てきたので、大山ドラに関してはオタクの域に達していると自負しています。
 なので、個人的にお気に入りの話を熱弁していきたいと思います。
 今はもう見れない話だと思うので、ガンガンにネタバレしていきます。

 あの窓にさようなら

 映画を抜かせばこの話は絶対に上位に上がってきます。一言で言えば「エモい」です。
 『ドラえもん』と言えばのび太達がメインで動いていくと思いますが、この話では傍観者に徹してます。

STORY
 自分の家の窓と相手の家の窓を取り替える道具が出てきます。なので、のび太の家の窓から静香ちゃんの家の窓の景色が見えるという感じです。(説明難しい…!)

 のび太が目を瞑って出した知らないお宅の窓の景色。キョウコさんという女子学生の部屋の窓でした。何ともない景色だったので、見るのを止めようとすると、一人の青年が現れ、窓に向かって歩いてきました。青年は暫く部屋を見回した後「留守か…」といい深く溜息をつきます。

 その後、キョウコさんの部屋に向かって独り言を呟きます。
 「キョウコさん。お別れを言いに来たんだけど、留守で残念だ。実は叔父の工場を手伝う事になってね、これからすぐに東京へ行かなければならないんだ。当分、君とも会えなくなる。 
 今まで黙っていたけれど、俺、君の事が好きだった。忘れない。東京へ行っても君の事は絶対に。君も時々で良いから、本当に時々でいいから俺のことを思い出して欲しい。それじゃあ、汽車の時間があるから…。元気でね。さようなら」

 そう言って、青年は寂しく去っていきました。ちょっと可哀想に思ったのび太とドラえもんは、その一部始終を録画して、キョウコさんに見せる事にし、キョウコさんの家に行きます。 

 学校から帰宅したキョウコさん。鞄を机に置いていると、突然自分の家の窓に青年が現れました。ドラえもんが、録画したあのシーンを再生し始めたのです。

 「フミヤさん…?」キョウコさんは窓に駆け寄ります。(現地に行ったドラえもん達は窓の下に隠れています)
 そして、フミヤさんの独白が始まります。話を聴いて涙ぐむキョウコさん。最後、さようならと言って去るフミヤさんに、窓を開けて「待って!」と声をかけますが、そこにフミヤさんの姿はありません。
 下に隠れているのび太達に一筋の涙がこぼれ落ちます。

 これで自分達のやれる事は終わったので、自宅に帰ってきたのび太達。でも、何だかモヤモヤしています。
 ドラえもんは、フミヤさんの見ている景色を見ようと言って車窓を映し出しました。

 ガタンゴトンと汽車が走っています。移りゆく景色の中に、1人の女性が手を振って何かを叫んでいるのが見えました。
 キョウコさんです。
 「フミヤさん!手紙忘れないで!私もきっと書くわ!」

 それを見て、涙ぐむドラえもんとのび太。「書くよ!きっと書くよ!」と思わず叫んでしまうのび太。
 「君が叫んだって仕方ないよ」とドラえもんがたしなめた後に「僕たち以上にフミヤくんは嬉しいだろう」と呟きます。

 フミヤさんの目からも、キョウコさんはちゃんと見えていました。車窓にくっつきながら、キョウコさんに向かって何事か呟いています。 

 シーンは変わり、ドラえもんとのび太、微笑むフミヤさん、自転車を押しながら帰路につくキョウコさん、それぞれのカットを見せながら物語は終わります。 

感想
 この後の2人については、視聴者の想像に委ねられていますが、ここで終わるのがいい所だと思います。まさにエモい、まさに青春。
 ちなみに、ストーリーは私の記憶を絞り出して綴ったので、間違っているところがあるかもしれませんが、すみません。

 キョウコさんの名前が思い出せなくて、検索して調べた中で、旧ドラと現ドラで2人の名前が違うのを知りました。というか、現ドラで使われた名前が原作で使われたものと一緒で、旧ドラがちょっと内容を着色してお洒落に仕上げたようです。

 作画や演出もレトロで、平成初期感があるのがいい。暖かい絵柄です。
 そも、この頃の大山ドラは作画でも演出でも無双していたように思います。
 いつまでも心に残る大山ドラ『あの窓にさようなら』でした。



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